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通算7アンダーで4位の笹生優花
◆報知新聞社後援 女子プロゴルフツアー メジャー JLPGAツアー選手権リコー杯第3日(28日、宮崎CC)
10位から出た笹生優花(19)=ICTSI=が強風の中、ベストスコア69をマークし、7アンダーで3打差4位に浮上。最速での生涯獲得賞金1億円突破が見えてきた。
笹生は好プレーにも表情ひとつ変えなかった。15番で15ヤードのチップインバーディーを奪い、「パーであがれると思ったけど、たまたま入ってくれた」。風速は毎秒6メートルだが、木々が大きく揺さぶられるほどの風にも動じず、常に冷静沈着なプレーに徹した。アンダーパーが9人しかいない中で6バーディー、3ボギーでベストスコア69。「ショットもパットも良かった。楽しくできている」と、ラウンド後にようやく少しだけ笑みを浮かべた。
日本とフィリピンの二重国籍を持つ“国際派”はジュニア時代から16か国を転戦し、難しい条件も苦にしない。「経験はあった方がいい」と話していたように、8月のニトリレディスでも強風に耐え、2勝目を飾った。この日は「強い風に対応できたのはとてもうれしい。ゴルフは自然のスポーツなので、今日みたいに風が吹くと、うまくいくかどうかは別として、難しくなって楽しい。考えなきゃいけないですし」と、さらりと言った。
フォローの風で迎えた10番は、70ヤードの第2打をピン奥2メートルにつけ「うまく落としたい場所に落として寄ってくれた」と、ここからバーディー量産につなげた。これまで最終日に2度、63のビッグスコアをたたき出す爆発力も兼ね備え、「回っている分、コースを知っていくので攻め方も変わってくるんじゃないか」と分析した。
19歳の新人で今季獲得賞金約8925万円は堂々のランク首位。今大会で単独3位(1200万円)以上で、年間&生涯ともに1億円の大台に届く。14試合目での生涯獲得賞金1億円は、申ジエの記録を1試合上回り史上最速となる。笹生は「勝てればうれしいし、勝ちたい気持ちもあるが、ゴルフというスポーツを楽しみたい。結果はついてくるもの」と、普段通りを強調した。(岩原 正幸)
◆笹生が達成する記録(単独3位以上)
▼生涯獲得賞金1億円突破 14試合での達成は、申ジエの15試合を上回り史上最速。デビュー年度の1億円突破は2010年アン・ソンジュに続き2人目。19歳162日での達成は04年宮里藍の19歳141日に次ぐ2位。
▼年間獲得賞金1億円突破 14試合での達成は18年鈴木愛の11試合に続き、2位タイ。開催試合数14試合目は、これまでの17試合(2例)を上回り史上最速。年少では04年宮里の19歳141日に次ぐ2位。