◆報知新聞社主催 男子プロゴルフツアー 最終戦メジャー 日本シリーズJTカップ 第1日(3日、東京・東京よみうりCC=7023ヤード、パー70)
賞金ランク32位から繰り上がりで初出場の杉山知靖(27)=レイクウッドコーポレーション=が66で2打差3位。99年の日本ゴルフツアー機構発足後初の“繰り上がりメジャーV”を目指す。
繰り上がり出場での優勝を射程に入れた。杉山は、2番で5メートル、3番は1メートル半のバーディーパットを沈めるなど自己ベストの66で2打差の3位と好発進。「まさか自分がこの舞台に立てるなんて思わなかった。出させていただくだけで感謝しかないです」と恐縮しながらも、大舞台で躍進した。
出場権のあったジェーンワタナノンド(タイ)が欠場し、繰り上がりでの出場が決定。ダンロップフェニックス(49位)後、大会間近の11月23日に日本ゴルフツアー機構(JGTO)から連絡が入り「ラッキー!」と大喜びした。迎えた初日の3日は、ちょうど5年前に最終予選会まで勝ち残って、プロ宣言した日でもある。18年10月のメジャー・日本オープン初日の14番パー5ではアルバトロスを達成したこともある“持ってる男”は、記念日に最高のプレーを見せた。
15年大会に梁津萬(中国)の故障で大会初の繰り上がりで初出場したメジャー2勝の稲森佑貴(26)とは、オフに鹿児島で合宿を張るなど仲がいい。これまで下部ツアーを中心に戦ってきた杉山は今季初めて回るコースが多く、今大会の東京よみうりCCも初。大会前は2日間ともに練習ラウンド(R)し「佑貴にいろいろと教えてもらって。今日は練習Rでチェックした通りにできた」と感謝した。
オフには所属先が運営する神奈川・平塚富士見CCで会員へのワンポイントアドバイスや、コース改修での助言をする「ゴルフ場従事者」として働く。コロナ禍の中で、コースを提供することの苦労も重々理解しており「このような状況下で出場させていただくことに感謝しながら一打一打に集中して頑張りたい」と心に決めている。大会前の“最下位”から、一気に頂点を狙う。(宮下 京香)
◆杉山 知靖(すぎやま・ともやす)1993年4月28日、横浜市生まれ。27歳。5歳でゴルフを始め、高知・明徳義塾高から中央学院大に進学。大学在学時の2015年12月3日に翌季出場権をかけた最終予選会に残りプロ宣言。昨季下部ツアー賞金ランク6位で今季レギュラーツアー前半戦の出場権を獲得。ツアー最高位は9月のフジサンケイクラシック14位。173センチ、75キロ。スポーツ歴は野球、競泳。