
日本シリーズJTカップ第1日成績と石川遼の今季日米ツアー成績
◆男子プロゴルフツアー 最終戦メジャー 日本シリーズJTカップ 第1日(3日、東京・東京よみうりCC=7023ヤード、パー70、報知新聞社主催)
2015、19年大会覇者で、史上6人目の連覇を狙う石川遼(29)=カシオ=が、4バーディー、1ボギーの67で回り、3アンダーの3打差8位と好発進した。大会史上初めての無観客開催の中、初日では今季ベスト&大会ベストタイの67で「自分的には最高」と評するほどのスタートとなった。池田勇太(34)=フリー=が2イーグル、4バーディー、2ボギーの64で回り、6アンダーで単独首位に立った。
最終18番パー3、石川が4アイアンを振り抜くと、ボールはピン下3メートルに着弾した。「これまでのJTカップの中でかなり上位に入る」と自賛したティーショット。バーディーパットは左を抜けたが、パーで締めた。例年ならグリーンを囲み、すり鉢状のエリアに大ギャラリーが集まるホール。今年は無観客だったが「自分には歓声が聞こえていて、勝手に盛り上がっていた」と、頭の中で舞台を“演出”してしまうほど集中し、ノッていた。
3アンダー、67と初日の今季ベスト&今大会でも08、12年に並ぶベストタイ発進だ。「狙ったスコアですし、いい滑り出し。自分的には最高(のスタート)かなと思う」と声を弾ませた。3打差8位は優勝した昨年と同じ初日の位置で“吉兆”ともいえる。「優勝するには(初日)パープレーくらいがギリギリと思っていた」と、設定ラインも超えた。
「緊張もあった」という初日は2番で4メートルのバーディーを奪うと、前半を2アンダーで折り返した。15番でティーショットを右の木に当て初ボギーを喫したが16、17番で連続バーディー。「我慢して戻ってこられて良かった。かなりパーセーブできて、リカバリーが良かった」とうなずいた。
昨年まで第1打をドライバーで打っていたホールで、1番は3ウッド、4番は5ウッドを握るなど攻め方を変えた。ともにパーだったが、大会前に「1ホールで0・5打でも削れるなら、徹底的に調べたい」と語ったように、開幕2日前にウェッジとパターだけで回り、コースを隅々まで入念にチェック。今季、ルーチンとしているデータ蓄積の効果で、9月以降の国内ツアー全4戦で2日目にスコアを縮めており、史上6人目の連覇の期待はふくらむ。
スコアには喜びつつも石川は、「ゴルフの内容は最高ではないので、うれしさ半減。ショット全般を修正したい」と満足はしなかった。「距離感はうまく対応できているので、あとは方向性。2日目も大事なので気持ちを切り替えて頑張りたい」。無観客の静けさの中、心で声援を感じ、石川が連覇へ突き進む。(岩原 正幸)
◆石川の昨年大会V 初日は3バーディー、1ボギーの68で3打差8位発進。フェアウェーキープ率は85・71%で全体1位だった。2日目は70で4打差8位。3日目に68で2打差5位と追い上げ、最終日に66で通算8アンダーで並んだケネディ(豪州)とのプレーオフを3ホール目で制した。