原英莉花、逆転賞金王へ高弾道ショットで攻める


練習ラウンドの8番でティーショットを放つ原英莉花

練習ラウンドの8番でティーショットを放つ原英莉花

 女子プロゴルフツアー今年初戦のダイキンオーキッドレディスは4日に沖縄・琉球GC(6561ヤード、パー72)で開幕する。20―21シーズンで賞金ランク3位の原英莉花(22)=日本通運=はオフに習得した高弾道のショットを武器に、逆転で初の賞金女王を狙う。また、12月に予定される22年の米ツアー参戦を懸けた最終予選会に挑戦する方針も明かした。今大会は1日当たり1000人を上限に、コロナ禍で初となる有観客で開催される。

 強風の中、9ホールを回りコースを確かめた原は「スイングの感触はいい方に仕上がっている」と笑みを浮かべた。自身初の賞金女王と来年の米ツアー挑戦という2つの目標に向かっている。年またぎの異例のシーズン。昨年は国内メジャーを連勝し賞金ランクで首位と約2300万円差の3位。「(初戦が)来たなって。ピンに絡めてバーディー取っていきたい」と待ち焦がれた再開戦に気持ちを高めた。

 「賞金女王は昔からの夢でもあり狙える位置にいるのはうれしい。頑張りたい気持ちはあるけど、シーズンは長いし、海外メジャーも出たい。精いっぱいこの1年間試合を大切に戦いたい」。海外ツアーのスポット参戦に意欲を示しつつ、まずは軸足を置く国内での活躍を見据えた。

 オフは体力作りに加え、師匠・尾崎将司(74)の千葉にあるジャンボ邸で高い弾道のショットに磨きをかけた。原動力となったのが昨年12月にメジャー初挑戦で152位で予選落ちした全米女子オープンの悔しさだ。「高弾道の球を打ちたいと感じた。いい刺激になった」と課題を持ち帰った。

 グリーンでより球を止めやすい、高さのあるショットは逆転女王への武器になりそうだ。師匠は男子ツアーで最多の賞金王12回。原は「1回じゃ(ダメ)って言われるかもしれないけど、国内で一番を目指したい」と決意を新たにした。同時に初戦からミズノ社の新ドライバー「ST―X」の投入も決断した。

 世界ランク89位と東京五輪は届かない位置にいるが、年末には来季米ツアー出場資格を懸けた予選会を受験する意向を示した。同75位以内で12月の最終予選会から参戦でき、「ランキングを上げて最終から出られるようなら出たい」。今週はシーズン初の有観客試合でもあり、「今年1年希望が持てるような戦いができれば」と、ファンに成長した姿を披露する。(岩原 正幸)

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