渋野日向子 石川遼チャージで4打差5位に急浮上 ウェッジ4本でバーディー”遼産”


10番、笑顔でフェアウェーを移動する渋野(カメラ・今西 淳)

10番、笑顔でフェアウェーを移動する渋野(カメラ・今西 淳)

◆女子プロゴルフツアー21年初戦 ダイキンオーキッドレディス第2日(5日、沖縄・琉球GC)

 7打差20位から出た渋野日向子(22)=サントリー=は6バーディー、1ボギーの67と伸ばし、通算6アンダーで首位と4打差の5位に急浮上した。パー5の全4ホールでバーディー。男子ツアー17勝の石川遼(29)=カシオ=の助言を受けながらオフに取り組んだという、100ヤード以内の攻略で早速効果を発揮し、19年11月以来のツアー5勝目に挑む。西郷真央(19)=大東建託=ら2人が10アンダーで首位。

 初日に1つもバーディーが取れなかったパー5を、渋野が完全攻略した。前日にボギーを喫した前半の18番だ。「届かない距離なので最初から刻もう」と、2打目に5ユーティリティーを振り、狙い通りにピンまで75ヤードを残した。3打目を57度ウェッジで1・5メートルに運びバーディー。観客の大拍手に思わず笑みがこぼれた。

 「13番のボギーでモヤモヤしていた。18番のバーディーが気持ち的にも切り替えさせてくれた」。後半はパー5の4、7番のバーディーを含み一気に4つ伸ばした。パー5の一日4バーディーは、ツアーでは19年に3度記録して以来、自身2年ぶり。「今日は80点」と真面目に採点した後はうれしそうに、「久しぶりのパー5全部バーディー。多分、明日(6日)2キロくらい太って(コースに)来ると思います」と、食欲も出てきそうで、おどけてみせた。

 21年型マネジメントを存分に発揮した。これまでパー5では距離が届く場合、「刻む選択肢はない」と攻め一辺倒だったが、バンカーに入れボギーになるなどリスクも大きい。「今までにプラスアルファしてやらないといけないと、去年米国で感じた。新しい挑戦にマイナスな感情はない。むしろ楽しい」と言った。

 石川からの助言で、昨年まで2本だったウェッジを4本態勢に変えた。オフに渋野からお願いし、数回一緒に練習したそうで、「100ヤード以内の精度を上げるならウェッジを増やす選択肢もあると言っていただいた。バーディーチャンスにつけられる確率が高くなる。新しい攻め方を今回実践している」と感謝した。

 4打差5位と猛追し、首位の背中が見えてきた。「悪くない位置。上位争いを楽しみながら、目の前のことに集中してやり切ること」と、19年11月の大王製紙エリエールレディス以来の頂点へ、決意をにじませた。(岩原 正幸)

 ◆渋野のウェッジ 昨年は2本態勢だったが、今年は46度(105ヤード)、51度(95ヤード)、54度(85ヤード)、57度(75ヤード)の4本で臨んでいる。※カッコ内は飛距離。

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