◆女子プロゴルフツアーヤマハレディース葛城最終日(4日、静岡・葛城GC山名C=6564ヤード、パー72)
最終組がスタートした。首位から出た山下美夢有(19)=加賀電子=と高橋彩華(22)=東芝=は、いずれも1番パー4でバーディー発進し、通算10アンダーとした。1組前の高木優奈(22)=グランフィールズCC=も1番でバーディー発進として2打差の3位につけている。
第1日から首位の山下が4日間競技の完全Vを達成すれば、1988年ツアー制施行後では2005年日本女子オープンで達成した宮里藍の20歳105日を超え、史上初の10代での快挙となる。山下はまだ生涯獲得賞金が0円だった昨年8月に約300万円もする弾道計測器の「トラックマン」を購入。自らの将来を信じた先行投資が実を結び、前週まで1396万6914円を獲得(賞金ランク47位)。賞金総額1億円、優勝1800万円の今大会で、さらに大きなリターン獲得なるか、注目される。
1998年度生まれ「黄金世代」の高橋と高木は、黄金世代10人のツアー優勝を目指す。
高木はこれまでプロテストに3回失敗し、まだ、プロテストに合格していない。2021年からプロテストに合格した日本女子プロゴルフ協会の会員でなければツアーの優先出場権を争うQT(予選会)に参加できなくなるが、高木はプロテストに合格していない選手も参加できた2018年のQTで下部ツアーの出場権を獲得し、19年の同ツアーANAプリンセスカップに優勝。その下部ツアー優勝の資格で2020年の予選会に参加して43位となり、今大会の出場権を獲得した。“裏街道”でツアー参戦の資格を獲得し、健闘を続ける高木は「今年の目標はプロテスト合格です」ときっぱり話す。ただ、ツアー優勝を果たせば、プロテスト(6月)を免除で日本女子プロゴルフ協会の会員になれる。「プロテストの前に優勝できれば一番いい」。“下克上V”を狙う。