女子プロゴルフツアーのフジサンケイレディスは23日から3日間、静岡・川奈ホテルGC富士C(6439ヤード、パー71)で行われる。出場選手は22日、練習ラウンドを行い、海を臨む名門コースをチェックした。海外メジャーのANAインスピレーション(1~4日)で119人中113位で予選落ちした原英莉花(22)=日本通運=は、隔離期間を経て、アクサレディス(3月26~28日)以来、国内ツアーに復帰する。7~20日の隔離期間中は宮崎市内のホテルに滞在。松山英樹(29)=LEXUS=が優勝したマスターズをテレビでライブ観戦した。「感動しました。プロゴルファーはこんなにも人を感動させることができるんだ、と思った。私もプロゴルファーとして人に感動を与えられる選手になりたい」と原英莉花は目を輝かせながら話した。
原英は、全く持ち味を発揮できずに終わったANAインスピレーションについて「恐る恐るプレーしてしまい、スコアをつくれなかった」と反省した。
6日に帰国した後、成田空港から自動車で15時間をかけて宮崎市に移動。7日から20日まで、広大なゴルフ練習場が併設されたホテルで過ごした。日本オリンピック委員会(JOC)の指示で認められた練習以外はホテル内の自室で過ごした。時間があるため、動画サービスを視聴することが多かったが、目がくぎ付けになったのは、やはりマスターズだった。
松山が激闘を繰り広げた最終日の最終組は日本時間の12日午前3時40分にスタート。「最初はウトウトしていましたが、バックナイン(後半9ホール)から目が覚めました!」と笑顔で話した。
隔離期間が明け、21日に帰京。千葉県内にある師匠の尾崎将司プロ宅を訪問した後、コースに入った。芝目のきつい高麗グリーンの対応策について、師匠に「逆目の上りをどう打つか、だ」とアドバイスを受けたという。ジャンボ尾崎は1987年に今大会と同じ川奈ホテルGCで行われたフジサンケイクラシック最終日に16、17番で連続チップインを決めて劇的な優勝を果たした。「何度も見ました。17番の右崖下からのチップインは意味不明ですよね」。原英は自身が生まれる12年も前に生まれた「川奈の奇跡」について声を弾ませながら話した。
4週ぶりの国内ツアー復帰。スケールが大きく、華がある原英莉花は、ゴルフファンに感動を与えるようなプレーを目指し続ける。
今大会は一日の上限を1000人とした有観客で開催される。今年8試合目で有観客としては3試合。入り口での検温、マスク着用、コース内の通路を広く確保するローピングなど感染防止対策を実施する。