◆男子プロゴルフツアー・アジアパシフィック ダイヤモンドカップ 第3日(15日、神奈川・相模原GC東C=7298ヤード、パー72)
首位と5打差の19位から出た宮里優作が、強風が吹く中、6バーディー、2ボギーの68で回り、通算7アンダーで首位と3打差の4位に浮上した。3位からスタートした星野陸也が69で回り、通算10アンダーで首位。2打差の2位に前回19年(昨年はコロナ禍で中止)覇者の浅地洋佑、選手会長の時松隆光が続く。石川遼は通算4アンダーで首位と6打差の15位。首位から出た東北福祉大4年のアマチュア杉原大河は77と崩れ、通算3アンダーの19位に後退した。
風が強い沖縄のゴルフコースで育った宮里優作が、相模原の強風に負けず、存在感を示した。最終18番では5メートルのバーディーパットを沈め、この日最高の68で上がった。
「行き当たりばったりのゴルフですよ。一寸先は闇。ショットはバラバラ。ショートゲームでつなぎました」と苦笑いしながら一日を振り返った。
兄は日本男子ツアー1勝の聖志、妹は元世界ランク1位の藍さん。日本ゴルフ界の「名家」宮里3きょうだいの次男・優作は、日本ゴルフ界の「名門」東北福祉大の“顔”のひとりだ。
東北福祉大ゴルフ部は、マスターズ覇者の松山英樹を筆頭に多くの逸材を輩出。今年の日本男子ツアー4戦のうち3戦で東北福祉大OBが優勝している。
通算3勝で43歳の星野英正は現在、ツアーから離れているため、ツアー参戦中の東北福祉大OBとしては、42歳の谷原秀人に次いで、40歳の宮里優作は岩田寛と共に2番目の年長者だ。「僕はなんの威厳もありません」と謙遜して話すが、17年賞金王という確固たる実績を持つ優作は、ツアーの誰もが認める存在だ。
ツアー通算7勝を誇るが、最後の優勝は17年日本シリーズJTカップまでさかのぼる。首位と3打差で迎える最終日も強めの風が吹く予報。「優勝のイメージはできていません。優勝するにはショット力が足りません」とあくまで控えめに話すが、宮里優作に“追い風”が吹く可能性は十分にある。