勝みなみが2年ぶり5勝目 初Vのキャディー母「素っ裸でもスイングしていた。また、勝つと思っていた」


優勝した勝みなみ

優勝した勝みなみ

◆女子プロゴルフツアー リゾートトラストレディス 最終日(30日、愛知・セントクリークGC=6605ヤード、パー72)

 1打差の2位から出た勝みなみが、3バーディー、1ダブルボギーの71で回り、通算9アンダーとして、逆転で今季初優勝を挙げた。今大会の隣のコースの中京GC石野Cで開催された2019年の中京テレビ・ブリヂストンレディス以来、2年ぶりの優勝。アマチュア時代の15歳で勝った14年KKT杯バンテリンレディスを含め、通算5勝目を挙げた。

 3打差の2位は大里桃子、比嘉真美子、吉川桃。

 2打差の4位から出た18歳のアマチュア岩井明愛は、1イーグル、2バーディー、4ボギー、2ダブルボギーの76。通算3アンダーで12位だった。

 首位から出た工藤遥加は1バーディー、5ボギー、1トリプルボギーの79と崩れ、通算2アンダーで15位に終わった。プロ野球ソフトバンク工藤公康監督の長女は父のような勝負強さを発揮できず、プロ11年目の念願の初優勝を逃した。

 1打差2位からスタートして最終組で回った新垣比菜は、82の大たたきを喫して、通算2オーバーの31位に沈んだ。

 勝は、いきなり1番でダブルボギーをたたいたが、5番、6番で連続バーディーを奪い、スタート時のスコアを戻して首位でハーフターン。後半も15番でバーディーを奪い、そのまま逃げ切った。今大会は母・久美さん(54)がキャディーを務め、親子タッグでは、うれしい初優勝となった。「母の体力はすごいです」と勝は母に感謝した。

 2015年の日本女子アマでは、久美さんがキャディーを務め、優勝を経験しているが、プロツアーでは初の栄冠。起伏の激しいコースを娘と共に4日間、戦った久美さんは「すごいうれしいです」と満面の笑みで話した。

 元教師の久美さんは、勝にとって最高のメンタルトレーナーでもある。第2日の11番で右に曲げるミスをした勝が「また、悪いイメージが出た」とぼやくと「たった一度の失敗で、そんなこと言わない。次に切り替える」とアドバイスを送ったという。

 2年間、勝利から遠ざかっていたが、久美さんは娘の努力を目の前で見てきた。

 「お風呂に入っていても、自分のスイングの動画を見ています。(ひらめくと)風呂からすぐに上がって真っ裸でスイングすんですよ。これだけ頑張っているんだから、また、いつか勝つと思っていました」と母は笑顔で衝撃のエピソードを明かした。

 次週は海外メジャーの全米女子オープン(6月3~6日)に参戦。もちろん、久美さんも帯同する。勝親子の挑戦は、世界に続く。

 ◆勝 みなみ(かつ・みなみ)1998年7月1日、鹿児島市生まれ。22歳。8歳からゴルフを始める。鹿児島高に入学直後の2014年4月、KKT杯バンテリンレディスで日本女子ツアー史上最年少の15歳293日で優勝。73年の清元登子、03年の宮里藍に続くアマ優勝の快挙を成し遂げた。17年3月に高校を卒業し、同年7月のプロテストに一発合格。プロ野球・阪神の大ファン。ツアー通算5勝。先週まで今季の平均飛距離は258・25ヤードでランク2位。157センチ、56キロ。

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