夢をかなえた笹生優花 宮里藍さんに憧れた8歳の原点…担当記者が見た


◆米女子プロゴルフツアー メジャー第2戦 全米女子オープン最終日(6日、米カリフォルニア州オリンピックC=6362ヤード、パー71)

 1打差2位で出た笹生優花(19)=ICTSI=が3バーディー、1ボギー、2ダブルボギーの73で回り、通算4アンダーで並んだ畑岡奈紗(22)=アビームコンサルティング=とのプレーオフ(PO)を3ホール目で制し、逆転で初優勝した。1977年全米女子プロの樋口久子、2019年AIG全英女子オープンの渋野日向子に次ぐ日本女子3人目のメジャー制覇。19歳351日で大会最年少優勝記録を2日更新。米ツアー出場資格を獲得し、参戦も発表された。

 昨秋に都内でインタビューした笹生は、はっきりと将来への希望を口にした。「メジャーは勝ちたい。それ以上に世界ランク1位になりたい」。ゴルフを始めた8歳の頃、2010年当時に1位だったのが宮里藍さんだ。11年前は「テレビで活躍を見ていた。優花もこういう選手になりたいって絵を描いた。それからフィリピンに行って練習するようになった」と、自身の原点を明かした。

 笹生が15歳で出場し、38位でベストアマを獲得した17年サントリーレディスは同年限りで引退した藍さんの国内ラスト戦。表彰式で憧れの存在からトロフィーを受け取り、「今でも思い出に残っている」と語った。日米24勝の名手が果たせなかったメジャー優勝を19歳で成し遂げ、次の日本選手による世界ランク1位の有力候補となった。

 アマチュア時代には、通算72勝でメジャー10勝のアニカ・ソレンスタム(スウェーデン)からも刺激を受けた。ニュージーランドで同選手主宰のジュニア大会に出場した際、初日のラウンド後にレッスンがあり、トップだった笹生が代表で前に呼ばれて一緒にショット練習した。「すごくシンプルに打ってるね」と絶賛され、「夢みたいだった」と感激した。

 パワフルなスイングから“女タイガー・ウッズ”と評される規格外の逸材は、女子ゴルフ界のレジェンドたちとの出会いを励みに日々鍛錬を続け、ついに夢をかなえた。(ゴルフ担当・岩原 正幸)

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