松山英樹、日本人初のメジャー2勝目へ…全米OP初日自己最少69


◆男子プロゴルフツアー 海外メジャー第3戦 全米オープン 第1日(17日、米カリフォルニア州・トーリーパインズGC=7652ヤード、パー71)

 4月のマスターズ王者・松山英樹(29)=LEXUS=は3バーディー、1ボギーの2アンダーで2差の暫定5位につけた。「69」は大会初日自己最少スコアで日本人初のメジャー2勝目へ好発進した。濃霧で開始が遅れ、36選手が終えられずに日没順延となった。東京五輪代表入りへ優位な星野陸也(25)は14ホールを終えてイーブンパー。逆転切符を狙う浅地洋佑(28)=フリー=は76、石川遼(29)=カシオ=も77と出遅れた。ラッセル・ヘンリー(米国)ら2人が4アンダーの暫定首位。

 メジャー王者が、タフな状況下で底力を見せつけた。開始が1時間半遅れた影響で松山は薄暗い中でホールアウト。18番で日没を告げるホーンが鳴った後にパーパットを沈め、4打差つけた昨年大会覇者のデシャンボーとおどけてグータッチした。「本当に良いプレーができたなという感じ。終われて良かった。明日、早起きを頑張って、良い調整ができればいい」とコメントからも余裕が感じられた。

 風が強まり、グリーンの荒れた午後スタート。無理はせず、冷静に丁寧に試合を作った。海沿いの3番で3メートルにつけてバーディーが先行。バンカーからの2打目をグリーン手前に外した7番でボギー。10番は4メートルを沈めて伸ばすと、15メートルのバーディーパットをねじ込んだ11番など、後半は勝負強いパットも目立った。「パットが途中から良くなったので不安なく、ミスしても自信を持って打てた」と分厚い胸を張った。

 世界屈指の精度を誇るアイアンショットを軸に、安定した試合運びで、この日のパーオン率78%は全体2位。そんな中、高く自己評価したのは9番と15番のパーだった。9番はグリーン左奥の密集したラフから、絶妙なアプローチで1メートルに寄せた。15番は第1打が右の深いラフに捕まり、アイアンでの第2打は90ヤード先のフェアウェーに出すのがやっと。ウェッジでの3打目をピン右下1メートルにスピンをかけて止めた。「ミスをしてもカバーがうまくいった」と、約1万人の喝采を笑顔で浴びた。

 深いラフで“世界一難しい”と呼ばれるメジャーに9年連続9度目の出場。13年10位、17年2位など経験を積んできた。「ボギー以上にならないように、攻めるというのがすごく大事」と今大会前に口にした言葉通りのプレーを実行した。暫定で首位と2差に「成績が良かったというのが一番」。威風堂々とメジャー2勝目へと向かう。

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