◆米女子プロゴルフツアー マラソン・クラシック 最終日(11日、米オハイオ州ハイランドメドーズGC=6578ヤード、パー71)
最終ラウンド(R)が悪天候で中止となり、通算19アンダーで首位だった畑岡奈紗(22)=アビームコンサルティング=が54ホールの短縮競技を制した。19年3月起亜クラシック以来となる、日本勢3位に並ぶツアー4勝目。6月の全米女子オープンでプレーオフの末、2位に敗れた悔しさを晴らした。16年のプロ転向前から目標とする東京五輪(8月4~7日)での金メダル獲得へ、これ以上ない弾みをつけた。
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今大会の畑岡選手は3日間、ほぼ完璧なゴルフでした。自信を取り戻し、東京五輪に向けて大きな弾みになったと思います。ショットはテイクバックがスムーズに上がり、インパクトでタイミングのズレがなくなって安定感が増しました。フェードとドローのコントロールショットで左右に切られた難しいピンもうまく攻めていた。不規則な転がりを生むポアナ芝のグリーン上は、総重量の軽いセンターシャフトの新パターを初投入。距離感が合い、不安な表情は一切消えた。
五輪前最後のストローク大会で、五輪を想定して臨んでいるようにも見えました。初日は10バーディーで、自己最少の61で単独首位発進。偶然ではなく、五輪で金メダルを狙う逆算をして、初日からアグレッシブに攻めていた気がします。
今の畑岡選手には、東京五輪の金メダル獲得やメジャーで優勝する実力は十分にあります。五輪のメダル争いは、今季好調で総合力の高い世界ランク1位のネリー・コルダ(米国)が最大のライバル。16年リオ五輪金メダルの朴仁妃(ぱく・いんび、韓国)は、日本ツアーでも活躍してきたレジェンド。全米女子オープン覇者で、フィリピン代表の笹生優花選手も有力なメダル候補になると思います。(女子プロゴルファー・諸見里しのぶ)