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4番、大里桃子と笑顔でラウンドする稲見萌寧(左)
◆女子プロゴルフツアー CATレディース 第1日(20日、神奈川・大箱根CC=6638ヤード、パー72)
東京五輪銀メダルで賞金ランク2位の稲見萌寧(22)=都築電気=が8バーディー、1ボギーの65で回り、首位スタートを切った。2001年大会で具玉姫(韓国)がマークしたパー72における大会コース記録を2打更新。究極の目標に掲げる「絶対王者」への第一歩として今季7勝目を目指す。吉田優利(21)=エプソン=ら3人が2打差2位に続く。賞金ランク1位の小祝さくら(23)=ニトリ=は3打差の5位。
五輪銀メダリストの肩書、そして腕前は、やはりダテじゃない。158ヤードの5番パー3。稲見が5ユーティリティーを振り抜くと、ピン手前30センチへピタリ。もう少しでホールインワンのスーパーショットで、この日、2つ目のバーディーを奪うと、その後もバーディーを量産し、65の大会コース新記録で堂々の首位発進を決めた。「新記録は初めて知りました。明日からもスコアを伸ばすことが大事」。冷静に話す22歳には、貫禄が漂っていた。
日本ゴルフ史上初めて五輪メダルを獲得した。ツアーでは、小祝と激しい賞金女王争いを続けている。「まだ十何試合か残っているので」と、現時点では賞金女王に向けての意識は薄い。稲見が意識するものは、もっとレベルが高い。
五輪後、最初のツアー出場となった先週のNEC軽井沢72で、フジテレビのインタビューに「絶対的にうまい選手になりたい」と回答した。この日、稲見は究極の目標に掲げる「絶対王者」の定義について「毎週、ぶっちぎりで勝つこと。大差をつけて勝ち続けることが一番の夢です。ハラハラドキドキしたくないので」と笑顔を交えて話した。
第1日を終えて、2位との差は2打。早くも一歩抜け出した。これまでツアー7勝のうち、2位との最大差は今年5月の中京テレビ・ブリヂストンの6打。絶対王者となるべく、自己ベストの“ぶっちぎり優勝”を目指す。(竹内 達朗)