小祝さくらが黄金世代ツアー最多の6勝目 優勝副賞のショベルカー「雪が積もった日に近所のコンビニに…」


優勝し副賞のショベルカーの前で笑顔をみせた小祝さくら(カメラ・小泉 洋樹)

優勝し副賞のショベルカーの前で笑顔をみせた小祝さくら(カメラ・小泉 洋樹)

◆女子プロゴルフツアー CATレディース 最終日(22日、神奈川・大箱根CC=6638ヤード、パー72)

 正午に最大瞬間風速15・4メートルの強風が吹き荒れる中、首位と4打差の5位から出た小祝さくら(ニトリ)が4バーディー、3ボギーの71で回り、通算7アンダーで逆転優勝を飾った。通算6勝目、先週のNEC軽井沢72から2週連続で今季5勝目を飾った。初日から首位を走った東京五輪銀メダルの稲見萌寧(都築電気)に8番終了時で最大6打差をつけられたが、驚異的な巻き返しで大逆転。賞金ランク1位の実力を見せつけた。逸材がそろう1998年度生まれ「黄金世代」としては、畑岡奈紗と並び、日本ツアー最多優勝となった(畑岡は日米通算では9勝)。

 2打差の2位は、稲見、高橋彩華(東芝)、三ケ島かな(ランテック)だった。

 強風が吹き荒れ、平均スコアが76・38まで落ち込んだ最終日、ツアー屈指のショットメーカー小祝は、風に負けないショットを打ち続けた。「普段からスリークオーター(4分の3)のショットを練習しています。そのスリークオーターショットで横風や向かい風に負けない強いボールを打てました」と勝因のひとつを明かした。

 8番終了時で、稲見とは6打の大差があった。最終組のひとつ前で回った小祝は最終18番で1メートルのパットを決め、事実上、勝利を手にした。

 「最後のパットを入れても優勝はないと思っていた。(18番グリーンサイドにある)リーダーボードは見ていませんでした。見なかったことがよかったと思います。優勝はびっくりです」

 小祝は普段通り、ほんわかした雰囲気で劇的な大逆転優勝を振り返った。

 “小祝節”はさえわたった。今大会の優勝副賞は、自動車ではなく、名物のショベルカー(500万円相当)。北海道・北広島市出身の小祝は「この大会に初めて出たときから、母(ひとみさん)が『あの機械、雪かきのためにほしいね』と言っていました。今週も練習ラウンドの時から『欲しいな』と思っていました。雪かきに使います」と笑顔で話した。

 さらに仰天プランも披露。「雪が積もった日に近所のコンビニに(ショベルカーで)行きたい。そのコンビニは駐車場が大きいので」と笑顔で話した。実際、公道を走るためには特殊免許が必要になるが、免許所得については「うーん…」と満面の笑みで言葉を濁した。

 今大会の優勝賞金1080万円を上積みし、今季の獲得賞金は1億7050万3583円となり、賞金女王レースでも首位を快走する。賞金女王争いで一騎打ちとなっているランク2位の稲見に逆転優勝したことで、稲見との差は1877万4434円に開いた。「萌寧ちゃんは強い。萌寧ちゃんの成績を見ながら、私ももっと頑張らないと賞金女王になることは厳しいと思っています」。ショベルカーの話題とは表情を一変させ、意欲的に話した。

 次週は、大好きな地元・北海道で行われるニトリレディス(26~29日、小樽CC)。所属するニトリの主催大会でもある。「小樽はとても難しいコースですが、ショットの調子はいいので、自信を持ってプレーしたい」。小祝の躍進は、まだまだ、続きそうだ。

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