稲見萌寧 銀メダリストの貫禄逆転優勝!記録づくし歴代2位シーズン7勝&年少3位通算8勝


通算16アンダーで優勝し、優勝トロフィーを手に笑顔を見せる稲見萌寧

通算16アンダーで優勝し、優勝トロフィーを手に笑顔を見せる稲見萌寧

◆女子プロゴルフツアー ニトリレディス 最終日(29日、北海道・小樽CC=6775ヤード、パー72)

 3打差4位で出た稲見萌寧(22)=都築電気=が5バーディー、ボギーなしでこの日ベストスコアの67で回り、通算16アンダーで逆転優勝した。5月の中京テレビ・ブリヂストンL以来の歴代2位タイとなるシーズン7勝目、通算8勝目を飾った。

 今季の稲見はとにかく強い。1番で10メートルのバーディーパットを沈め勢いづくと、5、6番の連続バーディーで単独首位に。全に1差に迫られた15番でバーディーを決めると、この日の平均スコア4・6456の最難関ホール、16番をパーでしのいで勝負あり。強風にも動じず、「ノーボギーで60台。逆転優勝を考えたら100点だけど、70~80点でいいものが続けられた」と、満足げに語った。

 大会中ずっと「苦手意識がある」、「ショットの調子がよくない」と話していたが、実は前夜(28日)から右足裏に痛みを抱えていた。「魚の目のようなもの。歩く時はしんどかったけど、スイングで痛みが出なかったのが救い」。テーピングを施し、何とか乗り切った。ショットは朝、自身のスイング動画を奥嶋誠昭コーチに見てもらい急ピッチの調整ながら、4日間のフェアウェーキープ率82%、パーオン率89%はともに1位と抜群の安定感だった。

 22歳31日の通算8勝目は、宮里藍(05年、19歳)、横峯さくら(07年、21歳)に次ぐ年少3位の記録。8勝中4勝が最終日逆転と逆境に強い。五輪銀メダル後3戦目で優勝し、「このまま勝てないんじゃないか」という前週逆転負け(2位)からの不安を払拭(ふっしょく)した。

 今季は統合シーズンとはいえ、シーズン7勝は03年10勝の不動裕理に続き歴代2位タイ。7勝以上した過去3人(4例)はいずれも賞金女王に輝いた。トップの小祝に約214万円差に肉薄した稲見は「あまりランクのことは気にせずに、これからもどんどん自分が勝ち続けていきたい」と、表情を引き締めた。

 目下の目標は、あと2勝に迫った通算2桁勝利と、2週後に迫る国内メジャー初制覇の2つ。「苦手とする難しいコースで勝てたのはよかった」。小樽で手にした自信を胸に、残り13戦、常に口にする「毎試合上位争い」を体現する。。銀メダル獲得の東京五輪後3試合目を制し、賞金ランク首位の小祝さくら(23)=ニトリ=に約214万円差に迫った。首位から出て71の全美貞(ジョン・ミジョン、韓国)が1打差の2位。

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