石川遼 3位から猛追も1差2位終戦 最終18番あと数センチ入っていれば…


石川遼

石川遼

◆男子プロゴルフツアー Sansan・KBCオーガスタ 最終日(29日、福岡・芥屋GC=7210ヤード、パー72)

 2016年大会王者の石川遼(29)=カシオ=が2打差3位で出て好ショットを連発して6バーディー、1ボギーの67をマーク。通算16アンダーで通算18勝目には惜しくも1打及ばなかったが、今季最高の2位に入った。初日から首位を走ったスコット・ビンセント(29)=ジンバブエ=が4バーディー、ボギーなしの68で回り、17アンダーでツアー参戦4季目で初優勝。ジンバブエ人2人目の日本ツアー制覇となった。

 夏晴れの福岡に大きなため息がこだました。最終18番パー5。グリーン右約10ヤードから石川が放った3打目のアプローチはカップ右縁で止まった。わずかにイーグルを逃し、1打差の惜敗となった。「最後、ひと転がりで入ってくれれば完璧なハッピーエンドだったんですけどね」と大粒の汗をぬぐった。

 この日のパーオン率は88・89%で全体1位。フェアウェーキープ率も57・14%で16位だった。優勝争いに身を置いても今やるべきことを貫いた。「(第1打が)フェアウェーに行ったらバーディーを、ラフならパーを」。硬く速くなったグリーンに対し、リスクは低く、確率の高い攻めに徹してチャンスを量産した。「決勝ラウンド(第3Rは8バーディーの66、最終Rは6バーディーの67)の良い内容は収穫。もっと、もっと良いショットを打てるように来週以降も頑張っていきたい」とうなずいた。

 昨年3月に田中剛コーチ(42)に師事した。高確率のコースマネジメントと再現性の高いスイング作りを徹底。世界の頂点を見据えて肉体も改造し、飛距離も伸びた。今季最高の2位にも「あまり気にしていない。一貫して同じ事を同じ方向性で、が大事」と石川。その目には、自らの理想のゴルフを完成させることしか映っていない。(榎本 友一)

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