渋野日向子 前週から40ホールノーボギー 2差6位発進「萌寧のステディーなゴルフが勉強になった」


1番、ティーショットを放つ渋野日向子 

1番、ティーショットを放つ渋野日向子 

◆女子プロゴルフツアー 報知新聞社後援 ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン 初日(24日、宮城・利府GC=6591ヤード、パー72)

 日米ツアー通算5勝の渋野日向子(22)=サントリー=が4バーディー、ボギーなしの4アンダー、68をマーク。強風の中、前週の初日に同組で回った今季8勝で賞金ランク1位の稲見萌寧(21)から学んだ小技とマネジメントがさえて、前週から計40ホール連続ボギーなし。首位と2打差の6位で、19年11月以来となる日本ツアー5勝目へ好発進した。2週連続Vを目指す西村優菜(21)=スターツ=が6アンダー、66で自身初の単独首位発進を決めた。

 ツアー6試合ぶりの有観客となった東北唯一の大会を、渋野が粘り強いプレーで盛り上げた。最終18番。残り125ヤードから7アイアンでの3打目をピン右1メートルにつけてバーディー締め。首位と2打差での好スタートに「風の強い中、ノーボギーで回れたことがすごくうれしいです。パットがすごく安定していた。18番はパー5で唯一取れたのはすごくうれしい」と会見場で代名詞の笑顔を輝かせた。

 1番で第2打をピン下1・5メートルにつけてバーディー発進すると、5番も6アイアンで右下3メートルにつけて伸ばした。17番は右下4メートルにつけてのバーディー。19年大会覇者・柏原、賞金ランク2位の小祝と同じ注目組でのラウンド。東日本大震災から10年を迎えた東北のギャラリーから、温かい拍手と声援を浴び続けた。

 アイアンも好調で硬く小さなグリーンに対して、パーオン率は77・78%を記録。8番はグリーン右ラフから、約15ヤードの3打目のアプローチを70センチに寄せてパー。9番は1・5メートルのパーパットを沈めた。渋野は「パーオンを逃したホールでパーを拾えているのは先週に引き続き。アプローチが前よりも寄るようになった。3パットも最近は減っていて良い流れ」とうなずいた。今年から練習ラウンドではロングパットの量を増やし、距離感を磨いてきた。課題だったアプローチも海外ツアーで経験を積み重ね、「イメージが一致するように」なってきたという。

 前週から計40ホール連続ボギーなしを継続中。きっかけは東京五輪銀メダリストの稲見だった。前週初日に同組で回り「萌寧の危なげないステディーなゴルフがすごく勉強になった」という。今週は「お部屋ご飯です。(仙台銘菓の)萩の月が食べた過ぎて帰りに買って帰ろうと思います」とゴルフ漬けの生活を送る。「最近は2日目でたたくことが多いので。明日も目の前の一打に集中して、欲張らずにやること」。渋野に“実りの秋”が迫ってきた。(榎本 友一)

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