渋野日向子、ホールインワン逃して「良かった」…昨年初日に同じ8番で達成し予選落ち、過去5度全部ダメ


18番、初日3アンダーでスタート、セカンドショットを放つ渋野日向子

18番、初日3アンダーでスタート、セカンドショットを放つ渋野日向子

◆女子プロゴルフツアー 樋口久子・三菱電機レディス 第1日(29日、埼玉・武蔵丘GC=6650ヤード、パー72)

 前週予選落ちの渋野日向子(22)=サントリー=が、2021年初日自己最高となる3位で滑り出した。強風下でも安定したショットを軸に6バーディー、3ボギーの3アンダー、69。8番パー3では“予選落ちジンクス”のある、もう少しでホールインワンからバーディーを決め、首位と1打差と日米通算7勝目へ好発進を決めた。ツアー2勝のぺ・ソンウ(27)=大和地所=、同28勝の申ジエ(33)=スリーボンド=が4アンダーの首位に並んだ。

 上限近く詰めかけた2902人の観衆を、渋野の一打が熱くした。160ヤードの打ち下ろしの8番パー3だ。6アイアンで放った打球は、右から左へ曲がる軌道を描いて左奥に切られたピンへ。ピン手前1メートルに止まると、グリーンを取り囲んだギャラリーのマスク越しにどよめきが起きた。

 惜しくもホールインワン逃しのスーパーショット。とはいえ、渋野の胸中は複雑だった。「入れ、とは思っていない。あそこで止まって良かったです。(最初のバウンドが)もう30センチ行っていたら、ピンまで行っていたので危なかった。お願いだからやめて、と思いましたね」と“エース未遂”のバーディーを歓迎した。

 実は昨年のこの大会、初日に同じ8番で8アイアンでピン手前2・5メートルから転がしてホールインワン。無観客の中でカップインする快音が響き渡った。ところが、32位で出た翌日の第2Rで33パットと苦しみ、77をたたいて65位で予選落ち。アマチュア時代からエースを決めた試合は5度全て予選落ち。その不吉なデータに、今大会前日は「もう嫌な思い出として今年は入れん」と笑って話していた。

 この日は風速10メートル近い悪条件の中、リズムの安定したショットが光った。フェアウェーを外したのは1ホールのみ。前週、7月以来の予選落ちで岡山県内の実家でショットの修正に励んだ。「ちゃんとためを作って、トップからの切り返しが早くならないように打つ」と早くもその成果が生きた。今季2勝目も見えるが「なるべくボギーの少ないラウンドができるように」と渋野は難コースを前に慎重。まずは予選通過から上位をうかがう。(榎本 友一)

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