16年大会2位の小林伸太郎、DVDの「おさらい」効果で1打差3位浮上「晋吾さんはここを刻んでたよな」


2日目を終えて1打差2位に付けた小林伸太郎(手前)

2日目を終えて1打差2位に付けた小林伸太郎(手前)

◆男子プロゴルフツアー マイナビABC選手権 第2日(5日、兵庫・ABCGC=7217ヤード、パー72)

 2016年大会で2位に入った小林伸太郎(焼鳥まさや)が、5バーディー、1ボギーでスコアを4つ伸ばし、1打差の3位に浮上した。

 「2016年に僕がここで2位になったときのおさらいをしている」。5年前、初めて単独首位で最終日を迎え、1打差の片山晋呉、4打差の香妻陣一朗と最終組でラウンド。激しい優勝争いの中、小林が5番でダブルボギーをたたき、さらに1打差を追う17番で無念のボギー。優勝した片山には1打届かなかった。それから月日が流れ、今大会出場は17年以来4年ぶり。兵庫入りしてからは食事中にDVDで当時の映像を見返して復習した。「『晋吾さんはここを刻んでたよな』とか、全員のプレーを見ています。おさらいがうまくいっている感じです」と効果は絶大だ。

 過去の映像だけでなく、言葉も小林のプレーを左右した。16年大会のホールアウト後、優勝者の片山から「17番で優勝争いをする人はドライバーを持たない」と助言を受けた。同じ失敗は繰り返さず、今大会の予選はドライバーではなくスプーンを握って、2日間ともバーディー。「苦い思い出と思っている方もいると思うけど、晋吾さんの話も優勝争いをしたからこそ。全く苦い思い出ではない」と悪夢を振り払った。

 プロ13年目の初勝利に向けて、残り2日間の戦いが待つが「ABCをラウンドしていてノーボギーという訳にはいかない。2ケタ(アンダー)にいきたいと思ったけど、まだまだですね」と気を引き締めた。復習通りに物語りを進め、最後の結末は自らの手で上書きしてみせる。

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