稲見萌寧、腰痛と強風と遅延耐え2打差3位発進…賞金女王争い古江彩佳との同組対決に先勝


7番で大渋滞し前の組のプレーを見る(右から)小祝さくら、渋野日向子、古江彩佳、西郷真央、稲見萌寧

7番で大渋滞し前の組のプレーを見る(右から)小祝さくら、渋野日向子、古江彩佳、西郷真央、稲見萌寧

◆女子プロゴルフツアー 伊藤園レディス 第1日(12日、千葉・グレートアイランドC=6741ヤード、パー72)

 賞金ランク1位の稲見萌寧(22)=都築電気=が5バーディー、1ボギー、1ダブルボギーの70。最大瞬間風速16・8メートルの強風にも負けず、2アンダーで2差3位と好発進した。今季獲得賞金で、約397万円差で2位の古江彩佳(21)=富士通=は2バーディー、2ボギーの72で回りイーブンパーで4差11位。上田桃子(35)=ZOZO=と青木瀬令奈(28)=フリー=が68で回り4アンダーで首位。

 アンダーパーが10人だけという強風下。稲見が、初の賞金女王を争う古江との“同組対決”で底力を発揮した。前半を2オーバーで折り返すと、10番パー4は第2打を8アイアンでピン右70センチへ。12番パー3では第1打を3ユーティリティーでピン手前50センチにピタリ。3連続バーディーを奪った。「風が強くて、ピン位置もえげつなくて苦しかった」と苦笑いしたが、生命線のショットでスコアをつくった。

 7番の第1打を打つ前、強風の影響で全体のプレーが遅くなり3組分、約35分も待たされる“大渋滞”が発生。その間は10月から痛める腰が「固まらないように」と立ったり、座ったり。第1打でグリーン奥のバンカーに外しダブルボギーを喫したものの、集中力は切らさなかった。心配された腰の状態も「普通は振れない」というが、ラウンド前に痛み止めを服用。「(薬が)もってくれて良かった」と踏ん張った。

 初の賞金女王へ負けられない戦いが続く。腰痛で2週前のツアーは欠場を余儀なくされた。前週の復帰戦で2位に入るも、古江が4戦中3勝と猛追し、9月にあった最大約7248万円差が約397万円差にまで接近。今大会でランク2位の古江が勝つと、約2か月ぶりに陥落してしまう。大会前「抜かれてもしょうがない」と無関心を装ったが、初日は古江を上回った。

 急坂の先にある練習場に向かう際も、ゆっくり患部を支えながら歩き、万全な状態ではない。だが、今週は湯たんぽを持参し「(患部を)温めて、明日も万全な状態で臨みたい」と最善を尽くす。初の賞金女王へ、トップの座は譲れない。(宮下 京香)

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