帰国後の自主隔離違反の石川遼に1か月の出場停止処分「今後このようなことが無いように努める所存です」


石川遼

石川遼

 国内男子プロゴルフツアーを主管する日本ゴルフツアー機構(JGTO)は15日、石川遼(カシオ)が米国から帰国後の自主隔離期間中にゴルフ場でラウンドしたり複数人で会食したとされる問題で臨時理事会を開き、同選手に12月15日までのツアー及び、JGTO主催試合への1か月の出場停止処分を科したことを発表した。18日開幕のダンロップフェニックス(宮崎・フェニックスCC)を含む今季残り3試合には出場できない。

 石川側への聞き取りで確認された事実として、「待機場所」として指定した千葉県内のゴルフ場の打撃練習場の利用だけでなく、ラウンドも2回おこなった。ラウンドのうち1回は自身のコーチとゴルフ場関係者の3名、もう1回は自身のコーチと2名でプレーをした。

 夕食の際、個室にてコーチと2名で飲食とともに会話もした。また、ゴルフ場の関係者1名が個室に入室し、会話をしたこともあった。飲酒をともにしたことが2回あり、2回ともゴルフ場の関係者(上記と同一人物)が同席していたことが報告された。

 これを受け、JGTOは今回の処分の理由について「入国の際に署名した誓約書に定められた『入国後14日間、自宅又は宿泊施設で待機する』義務及び『他者との接触を行わない』義務に違反したもの」と解される。

 石川が自身のコーチと同じ航空機で帰国しており、いわゆるバブル状態にあると思い込み、屋外でのゴルフプレー等が許されていると勘違いしていた事情は理解できなくはないが、国民の多くが感染症ウイルスの外国からの持ち込みを警戒している中で、重い社会的責任を負うJGTOの副会長、JGTOツアーメンバーとして軽率であることは否めず、今回の処分が相当であると判断した、とされた。

 また、石川側が9日付で申し出ていたJGTO副会長と理事の辞任もこの日の臨時理事会で認められたという。

 JGTOの青木功会長は、リリースでコメントを発表した。「石川は、10月の下旬にアメリカから帰国し入国する際、厚生労働大臣及び法務大臣宛てに提出した誓約書に違反をしました。このことから、11月15日から12月15日までのジャパンゴルフツアー及びJGTO主催試合への出場停止の制裁処分を科し、JGTO副会長及び理事も辞任することになりました。

 JGTOとしましては、今後このような事態を招くことが無いよう、再発防止策として、全ツアーメンバーに対し、コンプライアンス遵守の徹底と社会的責任の重要性をあらためて認識させ、プロゴルファーとして、更なる自覚と責任を持った行動、言動をするよう指導して参る所存です」。

 一方の石川も、JGTOを通じてコメントを発表した。「この度、私の行動によりましてこのような事態を招いたことを反省し、JGTO副会長及び理事を辞任いたします。また、今回の処分を真摯に受け入れ、今後このようなことが無いように努める所存です。そして、こんな自分でも応援してくださる方がいる限り、最後まで諦めずにゴルフを頑張りたいと思います」。

 週刊誌「FLASH」の報道によると、石川は米国で下部ツアーの来季出場権をかけた2次予選会から帰国後、14日以内で隔離期間中の10月27日に、一般客が出入りする千葉県内のゴルフ場でラウンドし、その後複数人で食事等をしている姿が目撃されたという。

 石川は9日、報道を受けて選手会副会長及びJGTO副会長のいずれの理事職も辞任する旨を書面で提出し「ファンの皆様にはご心配をおかけします」と陳謝した。今後の試合出場に関してはJGTOに判断を委ね、「(裁定)結果を受け入れる所存です」としていた。

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