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女子ツアー賞金女王の行方
◆女子プロゴルフツアー 大王製紙エリエールレディス 第1日(18日、愛媛・エリエールGC松山=6545ヤード、パー71)
前週、今季9勝目を挙げて初の賞金女王に王手をかける稲見萌寧(22)=都築電気=は3バーディー、2ボギーの1アンダー、70で首位と6打差の40位で発進した。腰痛を抱える中、過去2回予選落ちした苦手コースで初のアンダーパーを記録した。約1697万円差のランク2位で逆転の可能性を残す古江彩佳(21)=富士通=は5バーディー、3ボギーの2アンダー、69で31位でスタートした。
腰痛&苦手コースの“二重苦”にも稲見はスコアを伸ばし、安どの表情を浮かべた。「今の状態で(このコースで)初めてアンダーが出た」。今大会は19年80位、昨年61位でともに予選落ちしており、5ラウンド目で初めてアンダーパーの70で回った。
前半の14番から3ホール連続でグリーンを外し、16番までに1オーバー。同組の原英莉花、吉田優利に離される展開で、時折、腰をかばう姿勢を見せながらも冷静にプレーした。18、5番でともに3メートルのバーディーパットを沈め、6打差の40位。昨年大会覇者の古江に1打遅れをとったが、まずまずの出だしとなった。
前日の17日は「寒さで(腰が)固まって、痛みを感じた」と、プロアマ戦を欠場した。4週前の大会で最終日に棄権を強いられたため今回は大事を取った形だ。スタート前に会場を後にすると約1時間、酸素カプセルに入り、回復に努めた。「とりあえず安静に。休んだなという感じ」。この日も朝の練習を軽めにして、痛み止め薬も服用し、懸命に乗り切った。
このコースはアップダウンが激しく、腰に負担がかかる上、「芝なのか、ティーイングエリアの形状なのか、コースの見た目なのか、良いイメージが出ない。苦手意識がある」と、心境を吐露した。ショットの調子は「30~40%」と自己採点は厳しいが、出遅れずにスコアをまとめた。
前週の伊藤園レディスで約2か月ぶりに優勝し、2位・古江との差を約1697万円差に広げ、今週にも初の女王の座を手にする。「修正して明日(2日目)いいプレーができたら」。残りは2戦。目の前のことに集中し、タイトルを引き寄せる。(岩原 正幸)
◆稲見の女王が今週決定する条件 稲見が優勝し、賞金1800万円を加えた場合、古江が5位タイ、単独6位以下などで、次週の最終戦を待たずに稲見の賞金女王が決まる。