渋野日向子が7位から後退で来季フル出場権黄信号29位…涙こらえ無言でコース去る


渋野日向子

渋野日向子

 第7ラウンド(R)が行われ、日米通算7勝の渋野日向子(23)=サントリー=の来季フル出場権獲得に黄信号がともった。7位から出て強風に苦戦して1バーディー、4ボギー、2ダブルボギーでこの日のワーストスコア79と崩れ、通算7アンダーの29位に後退した。フル出場権獲得圏内(20位前後)の18位とは3打差で、運命の最終R18ホールでスコアを伸ばすことが不可欠となった。古江彩佳(21)=富士通=は2バーディー、2ボギーの72でまとめ、16アンダーの5位をキープした。

 渋野から代名詞の笑顔が消えた。上位通過の上昇気流に乗りかけた前日とは一転しショット、パットともに大荒れ。出場74選手中、この日ワーストスコアの79をたたき、来季フル出場権獲得圏内から転落した。自己最悪81に次ぐ79に、ラウンド中から笑顔はなく、うつむく場面が多く見られた。18番で3オン3パットで2つ目のダブルボギーをたたくと、涙をこらえながら練習場へ。報道陣の取材には応じずにコースを去った。

 背中から危機感がにじんできそうな無言ぶりだった。7位に浮上した前日は冗談を口にする余裕もあった。唯一のボギーを「今日一番の“マンギレ”(最大級の怒りを意味する造語)。腹立つわ~」と笑顔全開の“しぶこ節”が飛び出すほどだった。

 前週の第3Rから前日まで60台のスコアを重ねていたが、強風の吹き荒れたこの日、別人のように乱れた。ティーショットが荒れ、パットは距離感が合わない。2番でピン左3メートルから3パットでボギーが先行した。3番は第1打を左の池に入れてダブルボギー。4番パー3は第1打をグリーン左奥に外してボギー。バーディーは右手前2メートルにつけて奪った13番だけだった。

 通過の目安は20位前後で、圏内18位とは3打差。圏外49位とも4打差と、微妙な位置で最終日を迎える。19年8月のAIG全英女子オープン優勝で来季メジャー5大会の出場権を有していることで「30位以内なら多くの試合に出場できるのでは」という“救済突破”の存在を指摘する関係者もいる。最終日にこれまでも演じてきたミラクルが起きるか。

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