渋野日向子、20位滑り込み 来季米ツアーほぼフル参戦「めちゃくちゃ楽しみ。まだまだ伸びしろがたくさん」


渋野日向子

渋野日向子

◆米女子プロゴルフ 最終予選会 第2週最終日(12日、アラバマ州ハイランドオークスGC) 

 最終の第8ラウンド(R)が行われ、29位で出た渋野日向子(23)=サントリー=は69で回り、通算10アンダーの20位で、45位までに与えられる米ツアーの来季出場資格を得た。計144ホールの長丁場を戦い抜き、来季ほとんどの試合に出場できる目安とされる20位に滑り込んだ。70で18アンダー7位に入った古江彩佳(21)=富士通=も出場資格を獲得。安ナリン(韓国)が33アンダーでトップだった。来季米ツアーは1月後半から11月後半まで34戦の予定。

 待ち望んだ米ツアー出場権をようやく手にし、渋野は声を弾ませた。「ギリギリ(20位に)入れて良かった。1年通して全試合に出られるわけではないと思うけど、たくさん戦える。めちゃくちゃ楽しみ」。最終日は1番でボギー発進も8番からの5ホールで4バーディーを奪い、流れを引き寄せた。5バーディー、2ボギーの69。45位までが“合格”だが、ほとんどの大会出場を見込める20位に入った。

 激動の2週間だった。「なんか忙しかった」。初日81位と出遅れ、3日目からは4R連続の60台で1ケタ順位まで巻き返したが、第7Rで79の大たたき。目標の20位圏外に沈み、「自分が一番自分を苦しめていた」と反省。「すごく悔しくて最終日を迎えるのが怖かったけど、何とかいい締め方ができた」と安どした。

 2019年にAIG全英女子オープンを制覇。直後に可能だった米ツアーメンバー登録を見送った。「もう1年日本で経験を積んでレベルを上げたい」。だが、コロナ禍で20年末の予選会が延期となるなど逆風を経験。数か月単位の米ツアー遠征で、日に日に夢舞台への思いが強まった。コーチと離れ、自ら考えてスイング改造にも取り組んだ。「自分で変われる時間もあった。収穫しかない」と言い切った。

 来季は主戦場を米国に移す。年末年始は国内で過ごし、来年1月に渡米する予定。同22、23日の新人研修(フロリダ州)に参加し、2戦目のゲインブリッジLPGA、3戦目のドライブオン選手権は、前シーズン賞金ランク上位80人などの出場優先順位(予選20位の渋野は昨年例で149番手)があるため出場は流動的だ。

 渋野は「メジャーだけじゃなくて出る試合は勝ちにいきたい。シードを目標にできたら」と心を躍らせた。「もっと強くなりたい。まだまだ伸びしろがたくさん」と、新天地でさらなる成長を目指す。

 ◆米ツアーQ&A

 Q 米ツアーの大会参加人数は?

 A 各試合120~150人程度。出場優先順位があり、上から〈1〉前年の年間獲得ポイント上位80人〈2〉生涯獲得賞金上位20人〈3〉過去6年のメジャー大会優勝者(ツアーメンバーのみ適用)と続き、最終予選会通過は〈14〉に当たる。19年を参考にすると予選会1位は優先順位129番目で、古江と同じ7位(6位タイの2番手)は136、渋野と同じ20位タイの1番手は149番目だった。出場を見送る選手が出ると枠は下りてくる。

 Q 渋野は何試合ぐらい出場できるのか。

 A 新型コロナの影響を受けなかった18年予選会を見ると20位は19年3月の開幕6戦目から参戦し、全33試合中16試合の出場だった。ただ、渋野は19年AIG全英女子オープン優勝で来季のメジャー5大会の出場資格を保持。主催者推薦や枠の繰り下がりを考えると、ほとんどの試合に出場できる。同年の45位は19年4月から参戦して8試合の出場にとどまった。

 Q 23年のシードを得るには?

 A 来年からはシーズン獲得ポイントランクで上位100人には翌年のツアーシード権が付与される。

最新のカテゴリー記事