スポーツ報知の記者が2022年に各界でブレイクしそう、バズりそうな選手、芸能人を紹介する企画「2022年スバリ!バズり予報」。菅原美沙記者編です。
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2021年11月に行われた女子プロゴルフ協会(JLPGA)の最終プロテスト合格者一覧を見たとき、注目していた選手の名前が一番上にあった。21年6月に日本女子アマチュア選手権で取材した「尾関彩美悠」だった。通算8アンダーで2位に3打差をつけて逆転トップ通過し、一発合格。プロへの第一歩を踏み出した。
尾関を取材をしたのは優勝した21年の日本女子アマだけだったが、その一度だけで彼女の魅力は十分に伝わってきた。雨が降る最終日に周囲がスコアを落とす中、安定したショットを武器に4バーディー、ボギーなしの68をマーク。4打差を逆転して優勝を果たした。プロの世界で活躍するためにはプレーももちろん重要だが、「スター性」というのも大切な要素。プレー中は笑顔を絶やさず、キラキラと輝いて見えた。優勝して多くの記者に囲まれ、“質問攻め”にあっても丁寧な受け答えを続ける尾関からは十分すぎる「愛されオーラ」を感じた。
さらに、大会期間中の6月16日に18歳の誕生日を迎え、翌17日の第3Rではパー4の7番でイーグル。誕生日と大会がかぶるのは初めてながら、しっかりと自らを“祝福”するのもさすが。「たくさん『おめでとう』と言ってもらいました」とはにかむ姿はとても印象的だった。
尾関は渋野日向子=サントリー=と同じ岡山・作陽高の3年。渋野と在籍期間はかぶっていないが、姉の沙綾さんが同学年だったつながりから交流があり、「日向子ちゃんみたいに頑張りたい」と、憧れの存在でもあった。日本女子アマVで9月開幕の日本女子オープンの出場権を獲得し、そこで渋野と“再会”。トップアマは逃したものの、11位に入って存在感を示した。
20年からはアマチュアの日本代表「ナショナルチーム」に所属。過去には20―21年シーズン賞金ランク2位の古江彩佳=富士通=や通算4勝の西村優菜=スターツ=、17年に日本女子アマを制した安田祐香=NEC=らも所属し、海外遠征で経験を積むなど、着実に成長へのルートをたどっている。
来季の国内女子ツアー出場権を争う最終予選会では58位と振るわなかったが、プロの世界で戦う日々もそう遠くないだろう。「彩美悠(あみゆ)」の名前は指導を受ける父・美成さんが「あまりいない名前にしたかった」ことから付けられた。「あざやかに、美しく、悠々と」。その名の通りの活躍を期待したい。(前ゴルフ担当・菅原 美沙)
◆尾関 彩美悠(おぜき・あみゆ)2003年6月16日生、岡山・倉敷市生まれ。18歳。ゴルフ一家に生まれ、6歳からゴルフを始める。作陽高に進み、20年にナショナルチーム入り。21年日本女子アマ優勝、同年の日本女子オープンで11位。平均飛距離は240ヤード。得意クラブはドライバーとパター。目標とする選手は小倉彩愛。身長158センチ。