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入念にアプローチの練習をする西郷真央(カメラ・今西 淳)
女子プロゴルフツアー今季開幕戦のダイキンオーキッドレディスは3日から6日まで、沖縄・琉球GC(6590ヤード、パー72)で有観客で行われる。ルーキーシーズンの昨季、賞金ランク4位と奮闘した西郷真央(20)=島津製作所=は2日の練習後の会見で、師匠・尾崎将司(75)から渡された“新アイテム”効果で悲願の初優勝を誓った。また、昨季賞金女王の稲見萌寧(22)=Rakuten=は「目の前の1勝」を積み上げ、2年連続“女王”をつかむ決意をにじませた。
男子ツアー歴代最多94勝の「ジャンボ」から、初タイトルに向けた贈り物だ。今オフの練習通いで、西郷は特製素振り棒を渡された。「ヘッドスピードを上げる(ための)素振り棒を作ってもらって。試合に持っていきますと伝えた」。ジャンボアカデミーの1期生は師匠の思いやりに、はにかんだ。
過去にも授かった素振り棒で練習を重ねてきたが、それよりも軽め。昨季、74・54%(全体3位)の高いパーオン率を残したショットメーカーに、飛距離を伸ばさせる狙いがあるようだ。「これまでのものと2本態勢で。シーズンでは(後半に)振れなくなってくるので、そこを振れるようにしたい」と親心に感謝した。
昨季いきなり賞金ランク4位(約1億7900万円獲得)とブレイク。しかし、メジャーの2試合を含む7度の2位に泣き、初優勝には手が届かなかった。「初優勝はもちろん、複数回優勝できる強い選手になりたい」。悔しさは倍返し以上で、晴らす決意だ。
年明けからは、主に課題とするグリーン周りの強化に取り組んできた。同い年の仲間が晴れ着で着飾る地元の成人式も出席を見送り、「記念に(晴れ着を)というタイプじゃない。練習していた方が実になる」。充実のオフを振り返り、「昨年よりは練習の数や質はできた。そこは自信を持ってプレーしていいのかな」と手応えをにじませた。
昨年同様、開幕を飾る沖縄には「去年の思い出がある」。1年前は第3日まで首位をキープしながら、最終日に73と伸ばせず4位に終わった。「最終日、最終組でプレーして優勝争いしたが、思うプレーができなかった。4日間大会なので徐々に調子を上げ、最終日に一番いい調子になるよう頑張りたい」。今年は最終日に、最高の笑顔を見せる。(宮崎 尚行)
◆西郷の昨季 20年6月のアース・モンダミンカップ(5位)でプロデビューし、トップ10が21回(全体4位)で、賞金ランク4位と活躍。国内メジャー2回を含め、7回2位に入ったが、初優勝にはあと一歩届かなかった。
◆西郷 真央(さいごう・まお)2001年10月8日、千葉・船橋市生まれ。20歳。5歳でゴルフを始め、14年全国小学校選手権優勝。父が尾崎将の大ファンで、麗沢高時代に弟子入りし、ジャンボアカデミー1期生となる。19年日本女子アマ優勝。同年のプロテストに一発合格。憧れの選手は通算50勝の不動裕理。家族は両親と姉。158センチ。