ルーキー佐藤心結、史上初プロデビュー戦Vへ1差2位発進 昨年プロテスト一発合格18歳


15番、ティーショットを放つ佐藤(カメラ・今西 淳)

15番、ティーショットを放つ佐藤(カメラ・今西 淳)

◆女子プロゴルフツアー開幕戦 ダイキンオーキッドレディス 第1日(3日、沖縄・琉球GC=6590ヤード、パー72)

 昨年11月のプロテストに一発合格した新人の佐藤心結(みゆ、18)=ニトリ=が6バーディー、2ボギーの68で首位と1打差の4アンダー2位と好発進した。平均飛距離約260ヤードを誇る期待の飛ばし屋は、笹生優花が持つ新人最速記録(2戦目)を塗り替えるツアー史上初のプロデビュー戦Vが懸かる。通算4勝の渡辺彩香(28)=大東建託=が5アンダーで単独首位発進した。

 南国の青空の下、佐藤は緊張しながら1番の第1打を放った。「いよいよだな。やるしかない」と気合を入れたが、内心は「心臓の音が聞こえるくらい。手に汗をかいた」と振り返った。ドライバーショットをフェアウェーに運ぶと、最後は6メートルを沈め見事バーディー発進。「それでうまく波に乗れた」と、6バーディーを奪った。

 5番で1メートル、8番で80センチ、11番でも1メートルと次々とショットをピンに絡め、68で1打差の2位発進。「もう少しスコアを伸ばせたかなというのはあるけど、デビュー戦初日にしては上出来です」と、会見では堂々とした受け答えを見せた。アマ時代に出場した昨年10月のスタンレーレディスで、プレーオフの末に渋野日向子に敗れ、2位で涙した18歳の新人が前評判通りの実力を示した。

 前夜(2日)は宿泊先で1時間弱、大好きな長風呂を楽しんだ。お湯につかって、ゾンビドラマの動画を見ながらリラックスして臨んだ。「スタート時間が早く、あまり長くは入れなかった。今日はゆっくり入りたい」と笑った。

 中学では陸上部に所属し、3年時には砲丸投げの神奈川県西部大会で優勝するなど、飛距離260ヤードのパワーの礎を築いた。昨年のプロテストに一発合格すると、同年末の予選会を11位で通過し、今季前半戦の出場権を得た。米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平を尊敬しており「同じアスリートとして、大谷さんのように人間性を高めたい」と高い志を持つ。

 プロデビュー戦のツアーVなら、笹生が持つ2戦目を抜き史上最速となる。「まずは予選通過して、自分のプレーができれば優勝争いできると思う」。無限の可能性を秘めた規格外ルーキーが、沖縄から大きく羽ばたく。(岩原 正幸)

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