横峯さくら3差6位発進…8年ぶり国内復帰後初ノーボギー「本当に久しぶりでうれしい」


1番、ティーショットを放つ横峯さくら(カメラ・豊田 秀一)

1番、ティーショットを放つ横峯さくら(カメラ・豊田 秀一)

◆女子プロゴルフツアー KKT杯バンテリンレディス 第1日(15日、熊本・熊本空港CC=6499ヤード、パー72)

 ツアー通算23勝の横峯さくら(36)=エプソン=が69をマークし、3アンダーで3打差6位と好発進した。8年ぶりに米女子ツアーから国内復帰した実力者が3バーディー、ノーボギーのラウンド。優勝なら2014年11月の大王製紙エリエールレディス以来2702日ぶりで、昨年2月に長男誕生後の「ママ初V」を目指す。鈴木愛(27)=セールスフォース=が6アンダーで単独首位。

 元賞金女王の実力者が、頂点に返り咲く。15番パー4。残り115ヤードの第2打をピッチングウェッジで30センチにつける絶妙ショットを披露して難なくバーディーとした。キャディーを務める夫・森川陽太郎さんに支えられてこの日3つスコアを伸ばした。国内では前回優勝した14年11月の大王製紙エリエールレディス最終日以来、8年ぶりのボギーなしと会心のラウンドだった。「本当に久しぶりのノーボギーだったのでうれしかった」と充実の汗をぬぐった。

 昨年2月4日に第1子となる長男・桃琉(とうり)君が誕生した。そこからはゴルファーとして、母として“二足のわらじ”で挑んでいる。出産から1か月後にはドライバーで180ヤードしか飛ばなかったと明かしていた。573ヤードの11番パー5こそ「長い…」と苦笑したがパーで切り抜け、「問題ない」と飛距離が戻ってきている実感も込める。

 15年から挑戦した米女子ツアーのシード権を持ちながら、今季8年ぶりに国内に本格復帰。最大の目標を日本ツアーで残り7勝(通算30勝以上)とする「永久シード獲得」に置き換えた。米ツアーのシード放棄前、最終戦となったメジャー、シェブロン選手権(3、4月)は75、74と連日振るわず予選落ち。特にショットで「打ちのめされて帰ってきた」と肩を落とした。それでも、夫と「コテンパンにされたので、また一からだね」と話し合い、国内での再起へ決意は固まった。

 今大会中は愛息を両親に預けてはいるが、夫と協力して子育てにも奮闘する。試合で落ち込んで帰っても桃琉君の顔を見て「癒やされた」と母の優しい笑みもこぼれる。今度は8年ぶりの頂点に立ち、“強い母”の姿を見せる。(宮下 京香)

 ◆横峯の今季ツアー成績 3月の国内開幕戦、ダイキンオーキッドレディスは予選落ち。続く明治安田生命レディスは44位。地元・鹿児島で行われた第3戦、Tポイント×ENEOSは初日70で5位発進し、最終的に国内では4年ぶりのトップ10となる9位。翌週のアクサレディスは予選落ち。その後渡米し、3月31日開幕の米女子ツアー、シェブロン選手権も予選通過ならず。6日に帰国し、3日間の隔離期間を経て今大会に出場。

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