
練習ラウンド中に笑顔を見せる上田桃子(カメラ・今西 淳)
女子プロゴルフツアーの今季メジャー初戦、ワールドレディスサロンパスカップは5日から4日間、茨城・茨城GC西C(6680ヤード、パー72)で3年ぶりに有観客で開催される。ツアー通算17勝で2007年賞金女王の上田桃子(35)=ZOZO=が3日、節目となる国内メジャー出場50戦目での初制覇へ「バチバチ優勝を意識している」と強い決意をにじませた。
真っ赤なウェアを着た上田が会見でマイクを少し強く握った。「バチバチ優勝は意識している。達成するには何が必要か、最大限に考えて準備したい」。通算17勝を重ね、07年に賞金女王に輝いた実力者だが、いまだ手にしていない「メジャー初V」への決意表明だった。勝てば、01年に出場42戦目のメジャー、日本女子オープンで初制覇した島袋美幸を大きく超える出場50戦目での悲願となる。
最大の目標へ、最善を尽くす。開幕2日前のこの日は、午前7時57分に10番から9ホールの練習ラウンド。同10時過ぎに終え、当初は正午に練習を切り上げる予定だったが、約2時間も延長する気合の入れようだった。「100ヤード以内の距離感で、より感覚をすり合わせたかった。(パットは)最後は大事になるところなので」と気迫がにじむ。
今季は並々ならぬ思いで偉業に挑む。師事する辻村明志コーチとのシーズン開幕前の合宿で、上田は「今年はメジャーを取る」と覚悟を決めた。そのために課題とも向き合った。持ち球は右に打ち出して左に曲がるドローだが、「ここぞの場面」で使える右に曲がるフェードを練習で意識的に磨いた。
4月に今季初Vを挙げた富士フイルム・スタジオアリス女子オープン最終日。1番パー5の第2打、左足下がりのドローでは狙いにくい状況を、フェードで攻めて2オン。イーグルで優勝につなげ、自信をつけた。
今大会は3大会ぶりに西コース(C)で開催。西Cでの11年大会は単独首位で出た最終日に74と下げた。「母の日」に母・八重子さんが見守る18番でバーディーこそ奪ったが、4位に終わった。今年も同様に8日の最終日が母の日だ。「50回という節目で勝てたら、この時のためだったのかと思えるだろうな」。上田が思いを結実させ、最高のプレゼントを贈る。(宮下 京香)
★ツアーの顔「ブライトナー」に6選手が就任
日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)が3日、今年度から「ブライトナー制度」に取り組むことを発表。ツアーの“顔”として「Brightener(ブライトナー)」を務める青木瀬令奈(29)=フリー=、原英莉花(23)=NIPPON EXPRESSホールディングス=ら6選手が、茨城ゴルフクラブ内で会見を行った。
選手と協働してJLPGAのブランド価値向上、ファン拡大、スポンサー価値向上などを目指すもので、まずはSNSでのブランディング活動や、収益の一部をチャリティーに充てるグッズ制作、販売を予定。JLPGAのプレーヤーズ委員会委員長の青木は「今まで肖像を使ったグッズがなかなか、できなかった。皆の動画だったり肖像を使って、元気な姿を届けるきっかけになれば」と期待。原も「もっと女子ゴルフをPRできるよう、頑張っていきたい」と意欲を見せた。