男子プロゴルフツアーのアジアパシフィックオープンダイヤモンドカップは12日から4日間、茨城・大洗GC(7163ヤード、パー70)で行われる。「ゴルフ天才少女」と呼ばれる須藤弥勒(ゴルフ5)のショートゲームコーチを務めるグラント・ゴッドフリイ(米国)が日本ツアーに初参戦する。11日、会場で練習ラウンドを行ったゴッドフリイは「弥勒と一緒に世界一を目指しています」と弥勒と同様に大きな目標を明かした。
個性的で、未知数の潜在能力を持つ24歳の米国人ゴルファーが日本ツアーにデビューする。世界ジュニアメジャー4勝を誇る弥勒のコーチを務めながら、自身もプロとして世界一を目指すゴッドフリイだ。今大会の予選会を勝ち抜き、出場権を得た。「日本のレギュラーツアーに初出場できることはうれしい。次の試合の出場権が得られる10位以内が目標です」と笑顔で話した。
190センチ、75キロのシャープな体を生かし、300ヤード超のビッグドライブを連発する。ただ、最大の持ち味は、故郷のオハイオ州で磨いた小技だ。20年の12月に来日。昨年、弥勒が練習拠点とする茨城・ゴルフ5カントリーサニーフィードで行われたツアー予選会に出場した際、弥勒の父・憲一さんが多彩な小技を持つゴッドフリイを高く評価し、弥勒のショートゲームコーチに就任した。弥勒は「グラントコーチは状況に応じて何種類のアプローチを持っていて、ロングパットの距離感も抜群です。とても、勉強になります」と話す。
ゴッドフリイは「弥勒のコーチをしていることで僕自身、学びがあります」と語る。
弥勒は10歳のアマチュアながら特異なゴルファー。「私がナンバーワン! 私が一番よ!」「2032年ブリスベン五輪で金メダルを獲得します」「世界的な伝説なゴルファーになります」などの野望を公言する。今年1月からアマ資格の規定が大幅に改定され、アマチュアゴルファーも無制限でスポンサー収入を得ることが可能になったため、抜群の存在感を持つ弥勒のもとにはスポンサーからオファーが殺到。その中で、ゴルフ専門店の「ゴルフ5」と所属契約、並びにマネジメント契約、家具大手の「ニトリ」とスポンサー契約を結ぶなど、計8社とスポンサー企業を持つ。
「ゴルフが大好きで『絶対に世界一』になるという弥勒の情熱に僕も感化されました。日本ツアーでプレーする最も有名な外国人選手となり、将来は米ツアーでも活躍し、世界一のゴルファーになりたいと思っています」。ゴッドフリイは堂々と話した。
オハイオ州のトレド大で知り合った日本人女性と昨年、結婚した。日本での生活をサポートしてくれている妻のためにも、難コースの大洗に立ち向かう。弥勒のような度胸満点のゴルフで華々しい日本デビューが期待される。
◆グラント・ゴッドフリイ 1998年1月23日、米国オハイオ州生まれ。24歳。2歳からゴルフを始める。トレド大卒業後の2020年にプロ転向。同年12月に来日。家族は日本人の妻(25)。190センチ、75キロ。
◆須藤 弥勒(すとう・みろく)2011年8月6日、群馬・太田市生まれ。10歳。2歳からゴルフを始め、東大出身の父・憲一さんの緻密な指導で成長を続けている。17、18年に世界ジュニアゴルフで連覇。現在、ドライバーの飛距離は220~230ヤード。家族は父、元フィギュアスケート選手の母みゆきさん、兄・桃太郎君、弟・文殊君。145センチ、52キロ。