◆男子プロゴルフツアー アジアパシフィックオープンダイヤモンドカップ 第1日(12日、茨城・大洗GC=7163ヤード、パー70)
54歳の大ベテラン・谷口徹(フリー)が4バーディー、1ボギーの67で回り、首位と2打差の6位と好スタートを切った。優勝すればツアー歴代2位の年長Vとなり、尾崎将司の55歳を抜く、来年10月以降の最年長Vも視野に「今年はその準備」と笑顔を見せた。大西魁斗(23)=ZOZO=と岩田寛(41)=フリー=が65で首位。アマチュアの中島啓太(21)=日体大=は6位。
熟練の小技がさえた。10番からスタートした谷口は前半を1アンダーで折り返すと、1番で7メートル、5番で16メートルと2回のチップインバーディーを奪った。3番では15メートルのロングパットをねじ込んだ。
「ショートゲームが良かったね。若手に飛距離で対抗しても勝てない。自分は自分ですよ」。首位と2打差6位の好スタートに54歳は余裕たっぷりに笑った。
大阪・PL学園高では甲子園を沸かせた桑田真澄、清原和博と同じクラスだったエピソードはあまりにも有名。KKコンビはともに08年に引退したが、谷口は今なお第一線で戦い続けている。今季レギュラーツアーでは全3戦で予選落ちを喫しているが、シニアツアーでは2戦ともトップ10入り。「レギュラー、シニアを合わせると僕が一番多く試合に出ている」と胸を張った。
最終日に54歳94日で優勝した場合、ツアー歴代2位の年長Vとなる。ただ、谷口が目指しているのは、その上だ。ツアー最年長優勝記録は02年全日空オープンを55歳241日で制した尾崎将司。来年の10月10日以降に優勝すると記録更新となる。「来年に向けて最年長記録を超える準備をしています」と飽くなき向上心を見せた。18年の日本プロを50歳92日で勝ち、日本男子メジャー最年長優勝記録を持つ谷口が、もうひとつの最年長V記録を更新することは決して不可能ではない。
ツアー通算20勝。初優勝は98年の三菱ギャラン(高知・土佐CC)。今大会の前身大会だ。「コースは違うけど、それは思い出がありますよ。この大会は毎年、難しいコースで開催されるから、やりがいがある」とうなずく。92年にプロデビューして早30年。「ゴルフは奥深い」。谷口徹の闘志はいまだ衰えることはない。(竹内 達朗)
◆谷口 徹(たにぐち・とおる)1968年2月10日、奈良・橿原市生まれ。54歳。13歳からゴルフを始める。大阪・PL学園高、同大を卒業後の92年にプロ転向。98年に三菱ギャランで初優勝。2002年、07年に賞金。レギュラーツアー通算20勝(うちメジャー5勝)。シニアツアー2勝。169センチ、72キロ。