佐藤心結、自己最少64で初の首位…「今までにない感覚」ルーキー初V一番乗りへ好発進


7番ティーショットを放つ佐藤心結。初日8アンダーの好スコアをマークした(カメラ・今西 淳)

7番ティーショットを放つ佐藤心結。初日8アンダーの好スコアをマークした(カメラ・今西 淳)

◆女子プロゴルフツアー ニチレイレディス 第1日(17日、千葉・袖ヶ浦CC親袖C)

 新人の佐藤心結(みゆ、18)=ニトリ=が1イーグル、7バーディー、1ボギーで自己最少の64をマーク。8アンダーで初の首位発進となった。4月から7戦連続予選落ちを経験も、攻め方とメンタル面を改善して復調。平均飛距離260ヤードの期待の飛ばし屋が、ルーキーで一番乗りとなる初Vを目指す。通算4勝の西村優菜(21)=スターツ=が7アンダーで1打差の2位につけた。

 中学時代に砲丸投げでパワーをつけた佐藤が、圧巻のプレーで64をたたき出した。ツアー自己ベストを一気に3打更新し、大会コース記録(19年田中瑞希の63)にあと1打に迫った。後半は驚異の29で初の単独首位発進に、「ゾーンに入るってこういうことなんだな。今までにない感覚でした」と、声を弾ませた。

 後半の1番パー5、3ウッドの第2打を手前の花道から転がし、5メートルに2オンさせイーグルを奪った。「波に乗れてパターも入ってくれた」。2番で12メートルをねじ込むと、「そこから攻めの姿勢になった」と、鬼のようにバーディーを重ねた。

 本格参戦1年目で開幕戦は13位と上々のスタートも、その後は低迷。4月の富士フイルム・スタジオアリス女子から7戦連続で予選落ちを喫し、「得意のショットから崩れて、試合をやるたびに自信がなくなった。後半戦も出られるのかな…」と、不安が募った。

 コース攻略では、パー5の3打目で苦手な20~30ヤードのアプローチを残さず、スピンが利きやすい60~70ヤードをあえて残すように作戦を変更した。メンタル面では、5月のブリヂストンレディス前に、若手を対象とした宮里藍さんのトークセッションに参加した際、「(スランプ脱出に)魔法はない」と言葉を授かり、前向きになれたという。「救われた。すごく大きかった」と感謝した。

 ツアーは2001年度生まれの西郷真央、山下美夢有(みゆう)が2人で今季7勝と席巻するが、その下の02年度、佐藤ら03年度生まれで優勝者はいない。ルーキー一番乗りとなる初Vへ、「ここまで来たら優勝を目指すしかないけど、まずは楽しめたら」と、はやる気持ちを抑えるように話した。(岩原 正幸)

 ◆佐藤 心結(さとう・みゆ)2003年7月21日、神奈川・小田原市生まれ。18歳。7歳の時、祖父の影響でゴルフを始める。昨年の日本女子アマ3位、日本ジュニア4位。茨城・明秀学園日立高3年時、昨秋のプロテストに一発合格。中3年時に、砲丸投げの神奈川県西部大会で優勝。ツアーではアマ時代の21年スタンレーレディスの2位が最高。161センチ、57キロ。家族は両親と兄。

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