仙台育英OB岩田寛、夏の甲子園戦う後輩に届けるV 元球児41歳はナインに「自分を信じて」


優勝カップを掲げる岩田寛(カメラ・今成 良輔)

優勝カップを掲げる岩田寛(カメラ・今成 良輔)

◆男子プロゴルフツアー 長嶋茂雄招待セガサミーカップ 最終日(21日、北海道・ザ・ノースカントリーGC=7178ヤード、パー72)

 2015年大会覇者の岩田寛(41)=フリー=が、6バーディー、1ボギーの67で回り、通算19アンダーで、昨年5月の中日クラウンズ以来となるツアー通算4勝目を挙げた。今季初獲得の優勝賞金は2400万円とし、賞金ランクは16位から4位に浮上。上昇気流に乗った宮城・仙台育英高出身の元野球少年は、22日の高校野球・夏の甲子園で東北勢初の頂点に挑む母校に“Vバトン”を送った。

 2メートルのウィニングパットを決めても、ど派手なガッツポーズはない。物静かな男らしく、岩田は控えめに、力なく万歳した。

 久々の優勝会見には、中ジョッキの生ビールを一気飲みして勢いをつけた。口がなめらかになるようにとの大会主催者の計らいだった。少し顔を赤らめ、前日とは別人のようなニコニコ顔で、岩田は「酔っ払って今はふわふわしている。とても幸せ」。石川遼(14年、19年)に続く大会2人目の2勝目を喜んだ。

 13番の第1打で左林に曲げるなど「ドライバーがひどかった」とフェアウェーキープ率は50%に低迷したが、好調のパットに救われた。6番で5メートル、9番は8メートルのスライスラインを沈めバーディー。後続を2差で振り切り自身初の逃げ切りVを決めた。

 14歳でゴルフを始める前は野球少年。小3で始めて捕手、中学時は遊撃手だった1980年度生まれの松坂大輔世代だ。途中で始めたスケートボードにハマり、当時ゴルフでトップアマだった父・光男さん(77)が「怖くてとっさに」と高校でゴルフに転向。ゴルフ部のある仙台育英高に進んだ。最終日は前日に決勝に進んだ母校への思いが沸いた。7年前の2015年と状況は同じ。自身はこの大会を初制覇し、母校の初優勝を待ったが、東海大相模に6ー10で敗れた。22日は東北勢初の制覇をかけ母校は下関国際(山口)と戦う。岩田は「行きたいが、人混みが苦手」と甲子園に足を運ぶ予定はない。今でも野球が大好き男は快挙に挑むナインに「記事を見て僕の思いが届いてほしい。自分を信じて」と激励を送った。

 今季はここまで20代の優勝が目立つ。40代で昨年5月に続き2勝目を手にした岩田は「(若い頃と)変わったのは毛の量ぐらい」と体の衰えは否定。15年から2年参戦した米ツアー再挑戦に思いがあり「うまくなりたい」と41歳は真っすぐに話した。まずは翌日、テレビの前で母校の応援にいそしむ。(宮下 京香)

 ◆岩田 寛(いわた・ひろし)1981年1月31日、仙台市生まれ。41歳。シニア認定プロの父・光男さんの影響で14歳から始める。仙台育英高、東北福祉大を卒業。04年にプロ転向。06年に賞金ランク62位で初シード。14年フジサンケイクラシックでツアー初優勝。15年に入れ替え戦を経て米ツアーに参戦し、17年に国内復帰。好物は仙台名物・牛タンではなく豚肉。177センチ、74キロ。

最新のカテゴリー記事