大槻智春、5打差追いつきプレーオフ劇的イーグルで優勝…シルバーコレクター返上の3年ぶり2勝目


7番、ティーショットを放つ大槻智春。プレーオフの末に石川遼を破り、19アンダーでツアー2勝目を飾った(カメラ・泉 貫太)

7番、ティーショットを放つ大槻智春。プレーオフの末に石川遼を破り、19アンダーでツアー2勝目を飾った(カメラ・泉 貫太)

 ◆男子プロゴルフツアー ANAオープン 最終日(18日、北海道・札幌GC輪厚C=7063ヤード、パー72)

 5打差3位で出た大槻智春(32)=真清創設=が、通算19アンダーで首位に並んだ石川遼(31)=カシオ=とのプレーオフ(PO)を1ホール目で制し、逆転優勝した。6バーディー、ボギーなしの66で追いつき、POは劇的イーグル締め。1996年のカルロス・フランコ、19年の浅地洋佑に並ぶ大会最大差をひっくり返し、3年ぶりツアー2勝目を挙げた。12月の日本シリーズJTカップ(東京よみうりCC=報知新聞社主催)の切符も手にした。

 誰も想像していないウィニングショットだった。18番パー4でのPO1ホール目の第2打。大槻がピッチングウェッジを振り切るとピン右奥4メートルに落ち、バックスピンで戻ると、勢いよく転がってカップに収まった。劇的イーグルだ。入る瞬間は見えなかったが、大歓声で確信。驚き顔で帽子を取って右手を上げた。「一番はびっくり。ベタピンでパットを入れてと思っていた」。石川はその前にバーディーの好機につけていたが、この一打にはお手上げだった。

 シルバーコレクターの返上だ。19年関西オープンでツアー初優勝。だが、2勝目が遠かった。昨季は2位が4回、3位2回。今季も5月のPO負けを含め2位3回。惜敗が続き「何で勝てない?」と、毎週自問自答の日々だった。大好きなお酒で気を紛らせたり、今季から契約を結ばず、さまざまなクラブを試してきた。

 海外志向が強く、来年は欧州ツアーの予選会を受ける予定。そのためにも次は国内の「複数年シード」がターゲットだ。12月のメジャー、日本シリーズJTカップの出場権を獲得し、賞金ランクも2位に浮上した。「後半戦で2勝、3勝できれば」と実りの秋を迎える。(宮下 京香)

 ◆大槻 智春(おおつき・ともはる)1990年1月26日、茨城・神栖市生まれ。32歳。7歳でゴルフを始め、茨城・鹿島学園高から日大に進み、同期に小平智がいる。プロ転向を理由に2010年に大学を中退し、翌年からツアー参戦。18年に賞金ランク40位で初シード。最近は長髪にお団子スタイルが定着。周囲に「あか抜けた」と言われ、ご満悦。172センチ、94キロ。

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