川崎春花がボギーでも「怒りパワーに」19歳175日で年少4位2勝…藍、奈紗、笹生に続き


18番、優勝パットを決めた川崎(右)は森田キャディーと抱き合って喜ぶ(カメラ・豊田 秀一)

18番、優勝パットを決めた川崎(右)は森田キャディーと抱き合って喜ぶ(カメラ・豊田 秀一)

 首位タイから出たルーキーの川崎春花(19)=フリー=が通算15アンダーで競り勝った。ツアー初勝利をメジャーで飾った日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯(9月)は、最終日4位からの逆転だったが、自身初の最終組で逃げ切り。新ヒロインが重圧をはねのけ、日本選手年少4番目となる19歳175日での2勝目を手にした。

 京都出身の“はんなりルーキー”が頂点に立った。川崎は1差トップの18番。プレーオフもちらつくなか「3パットしたら、どうしようと思っていた」と言うが、8メートルのバーディーパットこそ50センチ残したものの、きっちりとウィニングパットを沈めた。高校のゴルフ部同級生でキャディーの森田彩聖さんと静かにハグ。涙も派手なアクションもなく「優勝を意識した中で、できた喜びが大きい」とほほ笑んだ。

 1か月前に無欲と勢いでつかんだ逆転Vと違い、首位で迎えた最終日。「高揚感があり、寝られなかった」と予定より1時間半も早い午前5時に目が覚めた。1番で3パットのボギー発進。スコアをつける手が震えていて「緊張しているんだなと思った」。我に返った。

 ゴルファーとしての芯の強さが顔を出す。「自分に腹が立った。次で絶対にバーディーを取る」と1・5メートルに寄せた2番で即、挽回。再び3パットでボギーした後の13番では4メートルを沈めた。「怒りをパワーにしている」。優勝会見の優しい声と表情からは想像がつかない負けん気で、勝ちきった。

 初V後は重圧を感じ、ツアー中におう吐することもあった。地に足がつかない感覚で2週連続予選落ちも経験したが、逆に「吹っ切れた」。難しいとされる2勝目を03年度以降生まれでは初、トッププロの畑岡、宮里藍、笹生に続く年少4位で達成した。「絶対に今シーズン中に挙げると。4日間大会でできたのは自信になった」と胸を張った。

 高校時代から知る森田さんは「もう少し喜んでほしい。ゴルフしてない時はメッチャしゃべる。恋愛話とか」と“素”を明かした。将来の夢を聞かれた川崎は「強いゴルファーであり続けたい」。魅力あふれる新ヒロインがまた一歩、階段を上がった。(宮崎 尚行)

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