蝉川泰果 ネットの批判的コメントに「ショック」も「いいプレーをすることが自分の職業」


16番ティーショットを放つ蝉川泰果(カメラ・今西  淳)

16番ティーショットを放つ蝉川泰果(カメラ・今西 淳)

◆男子プロゴルフツアー 三井住友VISA太平洋マスターズ 第1日(10日、静岡・太平洋C御殿場C=7262ヤード、パー70)

 10月の日本オープンで95年ぶりのアマチュア優勝を果たしたプロ2戦目の蝉川泰果(東北福祉大)は67で回り、首位に3打差の5位発進を決めた。5アンダーまで伸ばして迎えた後半8番からの連続ボギーに「すごく思うように16ホールは進めていたが、上がりが…」と悔しがった。

 パー3を除く14ホール中、2番以外の13ホールで得意のドライバーを握った。スタートの10番でピン右3メートルを沈めた。12番は残り95ヤードの第2打を56度のウェッジで30センチに突き刺した。18番パー5はイーグルパットがカップに蹴られてバーディー。前半は同組の中島啓太と伸ばし合い、観客を沸かせた。同学年のライバルのプレーに「楽しかった。すごく落ち着いていてプレースタイルがかっこいい」と見入った。

 第50回記念大会の今年は入場料が無料。今季の男子ツアーでは平日最多の4170人が来場した。注目の若手2人が一緒になった組には、特に大勢のギャラリーがついた。「見ていただけるのは本当にうれしいこと」。プロとして喜びを感じながらの18ホールになった。

 知名度が格段に上がった最近は、ネットでの中傷に落ち込むことが増えた。「すごく批判的なコメントを受けるので、すごく精神的には来ますけど…」。自分について書かれた記事への匿名の書き込みのことだ。「見ちゃいますね。うわー、マジかー、こんなこと書かれんのやあ…って思いながら。正直ショックですね。悲しいです。こういうメディア取材怖いです」と打ち明けた。「でも自分の記事を取り上げていただけることは本当にうれしいので。いいプレーをすることが今、自分の職業になっているので。自分を応援してくれているファンの人とかをもっと大事にして、結果で恩返ししていきたい」と力を込めた。

 プロ転向初戦となった前週のマイナビABC選手権は28位だった。2戦目で優勝となれば、松山英樹と同じ、ツアー最速を記録する。「いい位置で週末を迎えられるように、明日ももっともっといいプレーができるようにがんばりたい」。9月のパナソニックオープン、日本オープンに続く今季3勝目へ、大勢のファンの声援を味方につける。

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