◆男子プロゴルフツアー 三井住友VISA太平洋マスターズ 第3日(12日、静岡・太平洋C御殿場C=7262ヤード、パー70)
2010、12年大会覇者の石川遼(カシオ)は4バーディー、3ボギーの69で回り7アンダー。トップの蝉川泰果(東北福祉大)に3打差の2位から逆転を狙う。
18番パー5はティーショット、第2打ともに3ユーティリティーを握った。「2回続けて平均点以上のショットを打って終われたので、少し前向きになれた」。最終日につながるバーディー締めに、ガッツポーズが飛び出した。
決めて、しのいで、ねじ込んだ。「後半はミスが続いていて非常に苦しかった。いっぱいいっぱいだった」。15番の3メートルのバーディーパット。17番パー3の3メートルのパーパット。18番の2メートルのバーディーパット。石川は後半だけで3度、拳を握った。「調子は良くなかったけど集中はできていた。試合を楽しむこともできている。それの表れかなと。観客もたくさん入って、後押しにもなった」。気迫あふれる18ホールだった。
今年の第50回記念大会は入場無料。この日は2018年日本プロ最終日(1万573人)以来の大台突破となる1万67人が来場した。今季男女通じて初の1万人超え。目の前に広がる光景に「感動したし、グッとくるものはある。本当にがんばらなくちゃなと思う」。ファンの声援に感謝しながらの18ホールだった。
19年の日本シリーズJTカップ以来となる3年ぶりの優勝をかけ、最終日最終組を戦う。「まだまだ長い険しい道のり。後半の残り3、4ホールで優勝争いに残っていられるようにがんばりたい」と静かに闘志を燃やした。
得意コースで、3打差を追う展開。「蝉川選手以上にガンガン行ける選手はいないので。僕がガンガン行ったところで彼のガンガンには及ばない」。笑顔で応じつつ、最後は「自分のプレーをするしかない」と、言い聞かせるように言った。