◆女子プロゴルフツアー 大王製紙エリエールレディス 第1日(17日、愛媛・エリエールGC=6575ヤード、パー71)
ツアー初優勝を狙う双子のルーキー・岩井明愛(あきえ、20)=ホンダ=が8バーディー、1ボギーと、ツアー自己最少の64をマークし、7アンダーで自身初の単独首位で発進。活躍度を示すメルセデス・ランク(MR)45位の姉は、8月に2連勝した妹の千怜(ちさと)に続き、ツアー史上初となる同一年の姉妹で優勝&シード権を狙う。田辺ひかり(25)=伊藤園=ら3人が6アンダーで1打差2位。
明愛に「イケイケ」のゴルフが戻った。前半の11番パー5(535ヤード)。エッジまで残り202ヤードからソールが厚い5アイアンで攻めた。ピン左手前8メートルに2オンし、イーグルは逃したが、初バーディーだ。勢いに乗ると、後半の3番では193ヤードからピンを狙い、1メートル半へのバーディーで単独首位に浮上。初の首位発進に「一日、いいゴルフができた」と胸を張った。
今大会でツアー史上初の姉妹同一シード獲得が決まる。現在、明愛はMR45位で50位以内の“圏内”につけるが、同51位の桑木志帆とは33・64ポイント差でダンゴ状態。「まだ安心できない」と気を引き締める。双子の妹・千怜は8月に2連勝し、早々とシード権を手にしたが、自身は「もう少しできる。全力を出せていない。自分でふたをしているところがあった」。10月の富士通レディースで1打差自己最高2位。一時期は“安全運転”に終始する大会もあったが、試合に同行する父・雄士さんは「富士通から、あきちゃんらしさが出てきた」と明かす。
開幕前に掲げた目標は次週の最終戦のメジャー、JLPGAツアー選手権リコー杯(宮崎)への出場だ。出場者数が40人に限られる大舞台へ、現時点でMR33位の原英莉花がボーダーにおり、その差は132・94ポイント。今大会で単独3位以上が最低条件となる。ツアー出場がなかった2週前は武蔵丘短大で授業へ。久々に大学のキャンパスで友人と顔を合わせ「リフレッシュできた」と大事な終盤戦へ英気も養った。
アマチュアの弟・光太さん(18)も次週の男子ツアー、カシオワールドオープン(高知)でツアー2戦目を予定。3きょうだい同時にツアー出場するため、既に姉妹は宮崎行きの航空券をおさえている。明愛は「リコーに出たい」と改めて決意。シードと優勝での“ダブル記録”に挑む。(宮下 京香)
◆女子ツアーの姉妹優勝&シード権 国内24勝、米2勝の姉・晃子、国内1勝の妹・浩子の福嶋姉妹、いずれも同2勝の姉・奈津佳、妹・琴音の堀姉妹の2組がそろって優勝とシード権をつかんでいる。晃子は93~98年、00~11年にシード権を獲得し、浩子は初優勝した16年に賞金ランク36位で初シード。奈津佳は2勝を挙げた13、14年にシードを手にし、琴音は15~17年、初優勝を挙げた20―21年シーズンにシード権を獲得したが、優勝、シード権獲得ともに、同一年度で達成した姉妹はいない。