◆女子プロゴルフツアー 大王製紙エリエールレディス 第3日(19日、愛媛・エリエールGC=6575ヤード、パー71)
首位と1打差2位で出た36歳のベテラン・藤田さいき(チェリーゴルフ)が8バーディー、1ボギー、今季自己最少スコアの64をマーク。54ホール(パー71)のツアー最少ストロークのこれまでの記録を3打上回る「196」をたたき出した。通算17アンダーとして、首位の鈴木愛(セールスフォース)と1打差の2位で最終日に向かう。「3日間、本当にいいゴルフができている。(記録には)立派ですね、ワタシ」と笑顔を見せた。
同組の鈴木との一騎打ちの伸ばし合い。藤田が先に勢いをつけた。3つスコアを伸ばして迎えた距離の長い5番パー4で残り170ヤードから6アイアンでピンそば50センチにつけるスーパーショット。「割とピンに絡んでいた」。実測154ヤードの8番パー3は7アイアンで「ホールインワン?」と10センチにつけてバーディー。9番も連続で奪い、2位の鈴木に1打差をつけ、単独トップで折り返した。
後半も勢いは止まらず、11番で1メートルにつけてバーディーを奪うと、13番までに3連続で伸ばした。15番パー4で第2打をグリーン右手前に外し、ボギーをたたき、鈴木に並ばれた。鈴木が17番をバーディーで首位を明け渡したが、貫禄の伸ばし合いの展開に観客は終始、大興奮だった。「愛ちゃんがいいゴルフをしていて、ワタシも気持ち良く、イメージ良くゴルフできました」。
22日に37歳の誕生日を迎える。ベテランは「スタミナは割と限界の中、やっているけど、あと一日は持つかな」と笑った。17日、18日の予選ラウンドで同組だった20歳のルーキー・岩井明愛が「私より飛ぶ」と話すショットの飛距離を維持している。その秘けつは「体が硬くならないようにすることです。ヨガ、温泉…そうですね、自分を甘やかすことでしょうか」とうなずく。
今季は4月のフジサンケイレディスなど2位が3度。11年の富士通レディース以来、11年1か月ぶりの優勝にあと一歩のところだ。「勝ちたいとかいろいろな気持ちでやって全部ダメだったので、もう単純にゴルフというスポーツを楽しもうと思っています」と見据えた。10月の樋口久子・三菱電機レディスで11年ぶりVを果たした金田久美子の姿が刺激になっているといい「諦めたつもりはないけど、また頑張ろうと思えた」と藤田。36歳最後の試合で“4度目の正直”を果たす。