ＪＴカップに向け、全力プレーを約束した大西
◆大西 魁斗（２４）＝ＺＯＺＯ＝フジサンケイクラシック優勝＝初出場
米国育ちの新鋭が、富士山の麓で念願の初優勝を遂げた。９月のフジサンケイクラシック、大西は３打差３位から攻めのプレーで６８。朴相賢をプレーオフで下すと、雄たけびを上げた。「右奥の難しいピンでチャンスにつけられた。ホッとした気持ちでうれしかった」と冷静に振り返った。
英語が堪能で、大学時代はメジャー２勝のコリン・モリカワ（米国）ともしのぎを削った。世界を志す青年は今秋、米下部のコーンフェリーツアーの最終予選会を１２位で通過。来年１月の開幕戦（バハマ）から８試合の出場権を確保した。「まずいいスタートを切って、フル参戦できるポジションを勝ち取りたい」と意気込んでいる。
首を横に傾ける、米ツアー２勝のホアキン・ニーマン（チリ）のようなスイングが特徴的だ。「ダウンスイングで傾くのはずっと同じ。安定したスイングができるように心掛けている」。持ち前の攻撃的ゴルフで冬の東京よみうりＣＣを沸かせてくれそうだ。
日本シリーズＪＴカップは「選ばれた選手しか出られない場所。自分のゴルフを磨いてベストな状態で迎えたい。優勝を目指したい」と見据える。年明けから世界での戦いを控える中、「最後いい成績で終わって、新たな気持ちで来年を迎えたい」とまずは最終戦に全集中する。（岩原 正幸）
◆大西 魁斗（おおにし・かいと）１９９８年１０月１３日、千葉県出身。２４歳。５歳でゴルフを始め、９歳で語学力とゴルフの練習環境を求めて渡米。１３歳から５年間、ＩＭＧアカデミーで腕を磨く。南カリフォルニア大出身。昨年５月、日本でプロ転向。今年９月にツアー優勝。家族は両親、姉。父・泰斗（ひろと）さんはＮＨＫ「ラジオ英会話」の講師を務める。１７７センチ、７４キロ。