川崎春花、飛躍の年をV締め! 2勝を挙げたルーキーイヤーは「100点以上」…女子プロゴルフ新人戦


通算7アンダーで完全優勝した川崎(カメラ・宮下 京香)

通算7アンダーで完全優勝した川崎(カメラ・宮下 京香)

◆女子プロゴルフ新人戦 加賀電子カップ 最終日(9日、千葉・グレートアイランドC=6482ヤード、パー72)

 最終ラウンドが行われ、今季ツアー2勝の川崎春花(村田製作所)が通算7アンダーで優勝を飾った。1打差首位で出た最終日は4バーディー、2ボギーの70。後続に2打差で迎えた18番パー4は第2打をグリーン左の池に入れたが、4打目をピン奥約2メートルへ。下りのフックラインのボギーパットを決めきり、勝利をつかんだ。「最終ホールは攻めようと思ったら池に入ってしまった。優勝したいと思っていた大会なので、優勝できてすごいうれしいです」。20人の同期に祝福され、ニッコリ笑顔をつくった。

 1打差首位で出た最終日のテーマは「決め打ち」。1番で残り115ヤードからの第2打を9アイアンでピン手前1メートル半につけてバーディーを奪うと、パー5の5番は残り80ヤードから58度ウェッジでピンそば80センチへ。チャンスを多く演出し、前半に3つスコアを伸ばして4打差首位で後半に向かった。

 後半の序盤も流れを引き渡さず、12番パー3は169ヤードから6アイアンでピンそば1メートル半にピタリとつけてバーディーを奪った。だが、14番で3パットのボギーをたたき、68と伸ばしてきた永嶋花音との差は2打に縮まった。

 そして迎えた18番パー4。リベンジの思いがあった。5位だった11月のツアー、伊藤園レディス最終日にピン奥から1メートルのチャンスを逃していた最終ホール。残り136ヤードの第2打を8アイアンでこの日左奥に切られたピンを攻めた。だが、打球はグリーン左サイドの池へ「あ~」。それでも104ヤードからの4打目をピン奥2メートルにつけた。同じように左奥にピンが切られた伊藤園レディス最終日とも重なる奥から「決めれば優勝」のパットを決め切り、ホッとした笑顔をつくった。「昨日、今日の課題はしっかりと何ヤード打つと決めて、打てていたのがすごい良かった。こういう風にしたらいいんだなと自信にはなりました」と胸を張った。

 1996年の不動裕理、04年の横峯さくら、05年の上田桃子、08年の森田理香子ら元賞金女王が制してきた今大会。川崎もその中に名を刻んだ。「歴代の優勝者のプロの方々のお名前を拝見したら、すごい選手ばかり。そこに並べたことはすごいうれしいです」と感慨に浸った。

 今季は8月のステップアップツアーでプロ初優勝を飾ると、9月にはメジャー、日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯でレギュラーツアー初優勝。昨年11月のプロテストに合格した思い出の会場で、19歳133日の大会最年少記録で達成した。「やっぱりコニカミノルタ杯での優勝はすごい大きかったです」。10月のNOBUTA GROUPマスターズGCレディースで早くもツアー2勝目を挙げた。

 ルーキーとして挑んだ今季を振り返り「前半は苦しくて、この先どうなるんだろうと思ったけど、ここ3か月ぐらいで自分の想像を超えるようなシーズンに変えることができました。1年前のことを考えると(結果としては)100点以上だと思います」と満足感は持ちつつ「でも内容はまだまだ全然です」と慢心はない。

 来季に向けて、「パッティングとアプローチがまだまだなので、そこを頑張りたい。あとは100ヤード以内のショットの練習をしたいと思います。この試合でもたくさんの課題が見つかったので、オフに練習して来シーズンはメルセデス・ランク1位を目標に、今シーズンを超えられるようにしたいです。また、常に上位で戦って強いなと思われるような成績を残せるように頑張りたいです」。オフは父・太郎さんのサポートを受けながら、次なる目標に向かって、練習漬けの日々を送るつもりだ。さらに活躍は国内にとどめず「海外メジャーにも挑戦してみたいなと思うので、そこに挑戦できるように頑張りたいです」とも掲げる。

 プロになって1シーズン。川崎はゴルファーとしてだけでなく、人としての成長も重視している。「やっぱり(次世代に)憧れてもらえるようなゴルファーになりたい」との夢も備わった。まだまだ成長中の19歳はさらなる躍進を遂げ、夢を与える存在になる。

最新のカテゴリー記事