荒川怜郁、史上初のデビューVへ「100点以上」の開幕…21歳大学生が地元・沖縄で3差2位


初日、3アンダーの好スコアをマークしたルーキーの荒川怜郁は、ハイビスカスの花を顔に近づけVサイン(カメラ・今西 淳)

初日、3アンダーの好スコアをマークしたルーキーの荒川怜郁は、ハイビスカスの花を顔に近づけVサイン(カメラ・今西 淳)

◆女子プロゴルフツアー開幕戦▽ダイキンオーキッドレディス 第1日(2日、沖縄・琉球GC=6590ヤード、パー72)

 昨年11月にプロテストに合格したルーキーの荒川怜郁(れいか、21)=橋本総業ホールディングス=が5バーディー、2ボギーの3アンダー69をマークし、首位に3打差の2位。ツアー史上初のプロデビュー戦優勝へ、好スタートを切った。山下美夢有、西郷真央、笹生優花らと同じ2001年生まれの「新世紀世代」が、地元沖縄で快挙に挑む。渡辺彩香(29)=大東建託=が5連続を含む7バーディー、1ボギーの66で単独首位。

 18番グリーンで荒川は、ギャラリーの指笛と大歓声に包まれた。イーグルパットこそ外れたが、プロ最初のラウンドを連続バーディー締め。笑顔で何度もお辞儀を繰り返した。「100点以上のゴルフができた」。プロになって帰ってきた地元・沖縄。ツアー史上初となるプロデビュー戦優勝へ、2位スタートを切った。

 ティーグラウンドで猛烈な緊張に襲われた。「どうやって立ったらいいのかわからないくらい。チョロするんじゃないかって思った」。覚悟を決めて思い切って振ったドライバーショットをフェアウェーに運ぶと、開幕前日に変更を決断したテーラーメイドのスパイダー・トラスで6メートルを沈めてバーディー発進。「始まってしまえば楽しかった」と言った。

 山下、西郷、笹生らと同じ2001年生まれの「新世紀世代」は、岐阜の中部学院大に通う現役女子大生プロでもある。趣味はYouTube観賞。ジャンルは渋い。「釣ってきた魚をさばいて食べている人の動画を見ている」。自分で魚をさばけるようになることが目標。最近、スーパーに行った。すでに切り身になっているサバを買い付け、切ってみた。21歳。包丁にもクラブにもキレがある。

 10位でベストアマを獲得した昨年も初日に3アンダーをマーク。4位につけたが、2日目に75と崩れて後退した。「いつも初日がいいと気持ちに余裕ができて暴れ出しちゃう。もう一回引き締め直して明日を迎えたい」と気合を入れた。オフの「ダンロップトミー合宿」で指導を受けた男子ツアー48勝の中嶋常幸から、1週間前にショートメールが届いた。「ファンの人を大切にして回りなさい」。その言葉を胸に踏み出したプロとしての第一歩。地元の声援を力に変え、残りの54ホールを戦い抜く。(高木 恵)

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