◆女子プロゴルフツアー Tポイント×ENEOS 最終日(19日、鹿児島・鹿児島高牧CC=6419ヤード、パー72)
4打差2位から出た青木瀬令奈(リシャール・ミル)が最大8打差を大逆転した。「敵は自分自身」と言い聞かせ、8バーディー、ボギーなしの64で回り、大会記録の通算17アンダーで昨年7月の資生堂レディス以来のツアー通算4勝目。1990年以降で54ホール以上での史上14人目の大会を通じてノーボギー優勝となった。
大西翔太コーチ兼キャディーは「オフも毎日のようにトレーニングしていた」と青木のストイックぶりに目を細めて語った。約1か月前、青木は大ファンだという人気ラッパー「AK―69」と会食をする機会があったという。背中を押してくれる前向きな歌詞に心を打たれ、「自分のやるべきことによりフォーカスできるようになった」と大西コーチは語った。
4勝のうち、4打差逆転が今回で3度目と勝負強さが光る。「最大の敵は自分」が青木の口ぐせ。一時は首位で出た上田桃子に8打差をつけられながらも、後半に逆転したプレーぶりに、コーチは「人のプレーを見がちになるところを、自分のプレーだけに集中できた。誰が良くても悪くても、フラットでいられる。置かれている状況で頑張ろうという心構えができていた」と精神力の強さをたたえた。
数年前から、エンゼルス・大谷翔平が使っていた目標達成シートをきっかけにノートを記すようになるなど、常に競技に向き合った結果、3年連続の優勝を手にした。「人に優しく、自分に厳しい。尊敬している」と青木について語る大西コーチはうれしそうだった。