ゴルフ界の村神様・細野勇策、11バーディー61で単独首位浮上!「勝負強さ憧れる」そっくり“本家”のファン


18番、ティーショットを放つ細野勇策(カメラ・馬場 秀則)

18番、ティーショットを放つ細野勇策(カメラ・馬場 秀則)

◆日本男子プロゴルフツアー 東建ホームメイトカップ第2日(31日、三重・東建多度CC名古屋=7062ヤード、パー71)

 3位で出たプロ4戦目の20歳、細野勇策(ロピア)が11バーディー、1ボギーで大会コースレコードの61をマークし、通算16アンダーで、2位に4打差の単独首位に浮上した。WBC日本代表でプロ野球ヤクルト・村上宗隆内野手(23)に似ていると評判のレフティーが、日本人では1991年ダイドードリンコ静岡オープンの羽川豊以来32年ぶりとなる左打ちゴルファー優勝を目指す。10位で出た石川遼(31)=カシオ=は66で回り、首位に7打差の5位に順位を上げた。

 ゴルフ界の村神様が、開幕戦から快進撃だ。午前7時10分の第1組でスタートした細野は、あっという間にリーダーボードの一番上に駆け上がった。ツアー記録にあと1に迫る11個のバーディーラッシュ。61のビッグスコアに「淡々と1ホール、1ホールをこなしていこうという意識だったが、終わってみたらすごいことになっていた」。20歳のレフティーは目を丸くした。

 1番でグリーン手前からチップインバーディーを奪い、勢いに乗った。2番は120ヤードからピン上1メートル半につけ、5番では4メートルをねじ込んだ。「ティーショットはずっとよかった。今日はセカンドショットとパッティングがかみあった」。13番パー3では60度のウェッジで、この日2つ目のチップイン。パット数「23」でホールアウトした。

 心臓の病気「心室中隔欠損」と「心房中隔欠損」が生まれてすぐに見つかり、生後2か月で手術を受けた。母・洋子さん(54)は「最初の頃は体が動けばいいな、運動できればいいな、だった」と明かした。激しい運動は制限され、小学生の頃は水泳も医師の許可が必要だった。ゴルフに出会ったのは小学1年生の時。父・誠一さん(55)の影響だった。

 昨年のISPSハンダ欧州・日本トーナメントゴルフで2日目に62をマークし、16位と健闘。オフにはツアーを1年通じて戦うための体作りに着手した。ジムでのトレーニングを解禁し、米は1日8合と食事も増やした。「限界から限界へ」をテーマに、母の手作りおにぎりを胃袋に放り込み、3か月で体重は8キロ増え、80キロの大台に乗った。

 “本家”村上のファンで「(顔が似ていると)よく言われます。うれしいこと」と照れた。「勝負強さに憧れる。これから経験を積んで、僕もそういうことができるようになりたい」。性格は穏やか。プロ4戦目での32年ぶりの日本人レフティー優勝へ、淡々と一打に集中する。(高木 恵)

 ◆細野が優勝なら

 ▽日本人年少初優勝3位 最終日は20歳83日で、石川遼の15歳245日(07年マンシングウェアオープンKSBカップ)、松山英樹の19歳261日(11年三井住友VISA太平洋マスターズ)に次ぐ若さ。

 ▽歴代3位に並ぶ日本人スピードV 松山英樹の2戦目(13年つるやオープン)、金谷拓実の3戦目(20年ダンロップフェニックス)に次ぐ、片岡尚之の4戦目(21年ジャパンプレーヤーズチャンピオンシップ・サトウ食品)に並ぶ。

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