石川遼、連日の66で首位浮上!1イーグル、6バーディー、3ボギーも「全ては諸行無常」初の開幕戦Vへ動じない


18番、コース脇のラフからグリーンへのアプローチショットを放つ石川遼 (カメラ・馬場 秀則)

18番、コース脇のラフからグリーンへのアプローチショットを放つ石川遼 (カメラ・馬場 秀則)

◆日本男子プロゴルフツアー 東建ホームメイトカップ第3日(1日、三重・東建多度CC名古屋=7062ヤード、パー71)

 5位で出た石川遼(31)=カシオ=が1イーグル、6バーディー、3ボギーの66で回り、通算14アンダーとし、この日のベストスコア64をマークした星野陸也(26)=興和=と並んで首位に浮上した。「諸行無常」の精神で、ぶれることなく一打に集中。初の開幕戦優勝と、昨年11月の三井住友VISA太平洋マスターズ以来となるツアー通算19勝目へ、トップから3打差に10人がひしめく混戦を戦い抜く。

 初日の10位から徐々に順位を上げ、石川はリーダーボードの一番上に到達した。内容にこだわりクラブを振り続けた54ホール。「素直にすごくうれしい。コツコツと積み重ねているもの、練習していることはある程度はできている」。連日の66をマークし、開幕戦での優勝を視界に捉えたムービングデーも、やはり自らのプレー内容が焦点だった。

 後半は、パーだった16番以外でスコアが動く激動の9ホールとなった。12番パー5は第1打をドライバーでフェアウェーへ運び、残り216ヤードから5アイアンでピン奥8メートルに2オン。沈めてイーグルを奪った。「完璧なショットを3つ続けて打てた」というのも、一打に集中した結果だ。「内容自体は前半、後半も変わらないし、昨日から変わらない」。大幅なスイング改造に取り組んで4年目。「根拠あるスコア」を求める今の石川は、ひとつの結果に一喜一憂しない。

 最終日最終組は過去32回あり、優勝は14回で勝率は43・75%。「ここからリーダーボードの上位の選手は変わってくる。今の順位は正直、興味度としては高くない」と言った。4日間で競うゴルフの調子は、日によって変化する。「ピン位置も、天気も、体調も変わる。全ては諸行無常」と仏教用語を引き合いに出し、V争いの中でも一切動じない。大きな視野で自身を眺めたときに、取り組んでいることをぶれずに積み重ねることが最優先課題だ。

 3年ぶりのツアー優勝となった昨年11月の三井住友VISA太平洋マスターズでプレーオフを戦った星野と、再び最終日最終組で優勝を目指す。「おのおのストーリーがありながらの最後の18ホール。この人と回ると楽しいなと思う選手と最終組で回れるのは、これ以上ない楽しみ」。己の理想を貫いた先に、初の開幕戦優勝と通算19勝目というハッピーエンドが見えてくる。(高木 恵)

 ◆石川と星野のV争い 昨年11月の三井住友VISA太平洋マスターズで、首位の蝉川泰果に3打差2位で最終日を迎えた2人は69で通算8アンダーで並び、雨中のプレーオフ(18番パー5)に突入。1ホール目はともにパー。2ホール目で石川が第1打を右林に曲げたが、第2打を左ラフまで運び、130ヤードの第3打を上の段に切られたピンの手前4メートルにつけ、バーディーをねじ込み勝利。

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