◆女子プロゴルフツアー フジサンケイレディス 第2日(22日、静岡・川奈ホテルGC富士C=6457ヤード、パー71)
首位と1打差の3位からスタートした新人の神谷そら(20)=フリー=が5バーディー、2ボギーの68で回り、通算6アンダーで首位に立った。昨年のプロテストをトップ通過した逸材が初優勝を目指す。昨年覇者の高橋彩華(24)=東芝=が65で回り、31位から1打差2位に急浮上。原英莉花(24)=NIPPON EXPRESSホールディングス=は78と崩れ、86位で予選落ちした。
プロテストのトップ通過の実力は本物だ。20歳のルーキー・神谷は16番パー5で第1打を約290ヤードかっ飛ばし、残り192ヤードの第2打を6アイアンでグリーンオーバーさせてしまった。しかし、19ヤードのアプローチを58度のウェッジで1メートルに寄せてバーディー。美しくも難しいシーサイドコースで堂々の首位に立った。「バーディーチャンスが少ない中で、それを決められて良かった」。新人らしく初々しく話した。
すでにツアー屈指の飛ばし屋として存在感を示している。167センチ、60キロの恵まれた体を生かし、ドライバー平均飛距離は255ヤードで堂々のランク2位。「飛距離にはこだわりはありません。(第2打を)他の選手より前から打てるのはアドバンテージになるかな、とは思っています」とあっけらかんと話す。
6歳からゴルフを始めた。「小さな頃から飛んでいました。大人のスクールに通って(飛距離を)大人と勝負していたから」と笑う。
この日は粗削りなゴルフに加え、小技もさえた。16番で絶妙なアプローチを見せた後、名物ホールの17番パー3。第1打を右の崖下に落としたが「何も見えなかった」位置から第2打をピン30センチに寄せた。「山を登った後(グリーンでボールを)見て、自分でびっくりしました」と振り返った。
今季デビューから7戦で4回の予選落ちを喫したが、先週のKKT杯バンテリンレディスでは自己最高の20位。調子は確実に上向いており、初優勝をかけて初の最終日最終組に臨む。「優勝は全然、想像できません。今までにない緊張感があると思いますが、楽しくゴルフしたい」と前向きに話した。潜在能力は未知数。プロテストでトップの逸材は、ツアーでもいきなりトップを取る可能性を持っている。(竹内 達朗)
◆神谷 そら(かみや・そら)2003年4月18日、岐阜・土岐市生まれ。20歳。6歳からゴルフを始める。21年、麗沢瑞浪高3年時のプロテストは不合格となったが、22年に同校卒業後、2度目の最終プロテストを4ラウンドで10アンダーをマークしてトップ合格。目標とする選手は宮里藍さん、テレサ・ルー。趣味は音楽鑑賞。167センチ、60キロ