宮沢美咲が国内メジャー初出場Vへ首位発進 ゲーム好き20歳「いい成績を残して気分よくゲームを」


3番、ティーショットを放ち笑顔で打球の行方を追う宮沢美咲(カメラ・今西 淳)

3番、ティーショットを放ち笑顔で打球の行方を追う宮沢美咲(カメラ・今西 淳)

◆女子プロゴルフツアー メジャー初戦 ワールドレディスサロンパスカップ 第1日(4日、茨城GC西C=6780ヤード、パー72、報知新聞社後援)

 国内メジャー初出場でツアー未勝利の宮沢美咲(20)=大倉=が4バーディー、2ボギーの2アンダー70で単独首位発進を決めた。出場選手120人中、アンダーパーがわずか4人だけの難コースを攻略した。20歳236日で優勝すれば19年の渋野日向子(24)=サントリー=に次ぐ大会年少2位の記録。下部ツアー昨季賞金ランキング2位の資格で出場した好機を生かし、大会初出場Vを狙う。吉田優利(23)=エプソン=ら3人が1打差2位で続いた。

 蛍光オレンジのウェアと、宮沢のフレッシュな笑顔がまぶしく輝いた。初の大舞台にも動じず、コロナ禍以降最多1万2001人のギャラリーからの大歓声を力に変えた。「メジャーはどんな感じなのか、朝から緊張していた。2アンダーで上がれてよかった。率直にうれしい」。ツアー12試合目で自身初の首位発進に初々しくほほえんだ。

 選手仲間からメジャー大会への助言を聞き、覚悟はできていた。「難しいだろうなと思ってスタートした」という1番で、6メートルのパットを決めてバーディー発進。パー3の15番でも第1打をピン奥3メートルに。17番パー5では78ヤードの第3打を58度のウェッジでピン奥1・5メートルに運び、この日4つ目のバーディーを奪った。「ドライバーショットを真っすぐ打てた。そこがよかった」。深いラフに入れることも少なく、納得の表情を見せた。

 道産子ならではの悩みを解消するため、南の地へ飛び立った。オフに雪深い北海道を離れ鹿児島、宮古島で合宿を実施。「アプローチやパターの(感覚の)ズレをなくしたく」遠い地で研さんを積み、躍進につなげた。

 趣味のゲームにも熱が入る。現在はまっているのが恐竜島サバイバルゲーム「ARK」。前日は試合に向けて軽くプレーし、朝起きると“事件”が起きた。「恐竜が脱走した」と、一緒に遊んでいる友人から連絡が来ていた。スピノサウルスがお気に入りだという20歳は動揺は見せず、「いい成績を残して気分よくゲームを」と、ゴルファーとゲーマーの二刀流を目指す。

 同学年の活躍を刺激に年少2位、20歳236日での大会制覇に期待がかかる。2002年度生まれのツアーVなら、昨季2勝の岩井千怜(ちさと)、先月初優勝の明愛(あきえ)姉妹=ともにホンダ=に次ぐ3人目。日本人2人目となる国内メジャー初出場初制覇の快挙へ、最高のスタートダッシュを決めた。「フェアウェーに置いて、攻めすぎず、守りすぎず」。ゲームの恐竜は逃がしたが、ビッグタイトル獲得のチャンスは逃がさない。(富張 萌黄)

 ◆宮沢美咲あらかると

 ▽生まれ、サイズ 2002年9月13日、北海道・千歳市、20歳。160センチ、60キロ

 ▽ゴルフ歴 7歳から。父の勧めで始める。アマ時代に北海道ジュニアゴルフ選手権優勝。青森山田高札幌校卒。21年度のプロテストに2度目の挑戦で合格

 ▽戦績 22年にプロデビューし、レギュラーツアーは2試合出場(ともに予選落ち)。下部のステップアップツアーは16試合に出場し、SkyレディースABC杯で初優勝。賞金ランク2位で今季の前半出場権を獲得し、ここまで9試合に出場。最高順位は、富士フイルム・スタジオアリス女子オープンの11位。メルセデス・ランク64位

 ▽得意クラブ 8アイアン

 ▽モットー 「いつも笑顔でプレーする」

 ▽髪、ウェアにこだわり 髪の色はシルバー。「染めてだいぶ色落ちしました」。ウェアも蛍光色を多く着用

 ◆メジャー初出場初優勝なら 1988年のツアー制施行後で2016年日本女子オープンでの畑岡奈紗(当時アマ)以来、日本人で2人目。他には外国人の招待選手で4例ある。

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