山下美夢有 自己最大7差&宮里藍に次ぐ年少2位通算8勝「やっと自分らしいプレーできた」


ブリヂストン杯にキスをする山下(カメラ・岩田 大補)

ブリヂストン杯にキスをする山下(カメラ・岩田 大補)

◆女子プロゴルフツアー ブリヂストンレディス 最終日(21日、愛知・中京GC石野C、6573ヤード、パー71)

 昨季年間女王の山下美夢有(みゆう、21)=加賀電子=が6バーディー、ボギーなしで、この日最少の65で回り、通算18アンダーで2位に7打差をつけて逃げ切りV。4月の富士フイルム・スタジオアリス女子オープン以来の今季2勝目を挙げた。21歳292日での通算8勝目は、1988年のツアー制施行後、宮里藍(2005年)に次ぐ歴代2位の年少記録。年間女王へのポイントランクと今季の獲得賞金でもトップに浮上した。通算1勝の岩井明愛(あきえ、20)=ホンダ=が2週連続の2位。

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 影をも踏ませぬ勝利だった。2打差首位で出た山下は出だしで6メートルのバーディー。4番パー3は6アイアンで30センチにつけ、思わず笑みがこぼれた。6つ伸ばして後続を7打引き離してV。自己最大の5差(2回)を更新する圧勝劇を、「やっと自分らしいプレーができた」と誇らしげに語った。

 決勝ラウンドはボギーなし。4日間のパーオン率約83%は全体1位と昨季年間女王の名に恥じぬプレーを展開した。同じ最終組の岩井明が5番でダボ、鈴木愛が6番でトリプルボギーと、“一人旅”の状況にも気を緩めず「どうしたらバーディーが取れるか考えていた」とうなずいた。

 前週大会は、双子の岩井姉妹との3人のプレーオフに敗れ(勝者は妹・千怜=ちさと)、昨年5月のメジャー、ワールドレディスサロンパスカップに続く“2年連続母の日V”を逃し、試合後は珍しく涙を流した。「悔しかったけど、負けたのは仕方ない。また頑張ろうと」。今週も会場で見守った母・有貴さん(47)に、1週遅れの優勝をプレゼントした。

 21歳292日での通算8勝目は、宮里藍の19歳337日に次ぐツアー歴代年少2位での達成だ。4月に2日間の短縮競技で初勝利を挙げた後も、なかなか調子は上がらなかった。コーチの父・勝臣(まさおみ)さん(48)との二人三脚の取り組みで、スイングの切り返しのタイミングを修正。父は「(大会中の)大雨でも、ええゴルフをしとった」と目を細めた。パターも2週前からメジャー初制覇時のものに戻した。

 2年連続の年間女王を目指す中、メルセデス・ランクも300ポイントを加算し首位に浮上。「まだまだ試合が続くので、しっかり体調管理してこれからも頑張りたい」。“1強時代”の到来さえ感じさせる圧倒的な強さだった。(岩原 正幸)

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