山下美夢有が4日間大会史上初2週連続V「うれしいのひと言」 最年少21歳299日で生涯賞金4億円突破


優勝カップを手に笑顔でピースをする山下美夢有(カメラ・中島 傑)

優勝カップを手に笑顔でピースをする山下美夢有(カメラ・中島 傑)

◆女子プロゴルフツアー リゾートトラストレディス 最終日(28日、静岡・グランディ浜名湖GC、6500ヤード、パー72)

 昨季年間女王の山下美夢有(みゆう)=加賀電子=が、自身初の2週連続優勝で、ツアー史上初の4日間大会の2週連続Vを達成した。1打差の首位で出ると5バーディー、1ボギーの68で回り、通算21アンダーで逃げ切った。今季3勝目、通算9勝目で、最年少21歳299日での生涯獲得賞金4億円を突破した。両親が会場に訪れた試合は、これで7戦7勝と“不敗神話”も継続。家族の声援を力に、快挙を成し遂げた。

 最終18番でウィニングパットを沈めると、山下は満面の笑みを浮かべてガッツポーズを作った。2位に4打差をつける圧勝でツアー史上初の4日間大会2週連続V。「アンダーパーで4日間回れた。うれしいのひと言」。昨季女王は喜びをかみしめた。

 ギアが上がったのは佐久間と同じスコアで迎えた6番(パー4)だった。6アイアンで打った第2打が奥のバンカーに。第3打は5メートルのパットを残し、「ここのパーはしっかり取りたい」と、強気にねじ込んだ。「決め切れてスイッチが入った」。ピンチをしのぐと、7番から3連続バーディーを奪い、後続との差を一気に「4」に広げた。

 後半も勢いは衰えず、11番で10メートルを沈めてバーディー。15番パー3はこの日唯一のボギーとしたが、16番で即座に取り返した。追われる立場だったが、「緊張感のある中で戦えるのが楽しい。より集中力を高められる」と、重圧すらも力に変えて逃げ切った。

 家族の存在が力になっている。両親が会場入りした第2ラウンド(26日)、観客の中から、その姿を見つけた前半15番からは、6バーディー、1イーグルを奪取。「お父さんとお母さんが来てから、急に強くなった」と、感謝を伝えた。特に母・有貴さん(47)については「面白くて、いつも明るくて元気。来たらゴルフに集中できるし、癒やしになっている」と、自然にほおが緩んだ。

 コーチも務める父・勝臣(まさおみ)さん(48)の助言も効いた。この日の朝の練習ではスイングの際に「上半身と下半身が同時に動くことを意識するように」と伝えられた。すぐさま実践し、「スイングが良くなった」と山下。「(娘は)器用ですぐに修正できる」という父の言葉通り、今季3勝目への足がかりとした。

 今大会で生涯獲得賞金は4億円を突破した。21歳299日での達成は、稲見萌寧の22歳332日を抜いて最年少だが、「全く知らなかった。記録はあまり考えていない」という。両親がそろって観戦した試合は、これで7戦7勝。次週は3日間大会が待つ。「応援がすごく力になる」と話す孝行娘は、史上3人目の3日間大会を含めてツアー最多3週連続Vに挑む。(富張 萌黄)

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