山下美夢有がツアー初の2週連続4日間大会V 6番のナイスパーで「スイッチが入った」


優勝カップを手に笑顔でピースをする山下美夢有(カメラ・中島 傑)

優勝カップを手に笑顔でピースをする山下美夢有(カメラ・中島 傑)

◆女子プロゴルフツアー リゾートトラストレディス 最終日(28日、静岡・グランディ浜名湖GC、6500ヤード、パー72)

 山下美夢有(みゆう、加賀電子)が5バーディー、1ボギーの68で回り、通算21アンダーで逃げ切り、今季3勝目を飾った。ツアー通算9勝目。2位の佐藤心結(ニトリ)に4打差をつけ、1988年のツアー制施行後初の4日間大会2週連続優勝。

 最終18番でウィニングパットを沈めると、満面の笑みを浮かべガッツポーズを作った。2位に4打差をつける圧勝劇で2週連続V。「アンダーパーで4日間回れた。うれしいのひと言」。喜びをかみしめた。

 同組の佐久間朱莉(大東建託)と同じスコアで迎えた6番でギアを上げた。第2打が奥のバンカーに入り、第3打では5メートルのパットを残し「ここのパーはしっかり取りたい」と強気でねじ込んだ。「決め切れてスイッチが入った」。ピンチをしのいで7~9番で3連続バーディー。後続との差を「4」に広げた。

 後半に入っても勢いは変わらなかった。11番で10メートルを沈めてバーディー。15番パー5はこの日唯一のボギーとしたが、16番で再びバーディーで即座に取り返した。追われる立場だったが「緊張感のある中で戦えるのが楽しい。より集中力を高められる」と重圧を力に変え、逃げ切った。

 第2ラウンドの26日から両親が応援に駆けつけた。姿を見つけた前半15番から1イーグル、6バーディーで順位を上げた。「お父さんとお母さんが来てから、急に強くなった」と感謝を伝えた。26日には弟の勝将(まさゆき、近大3年)が関西アマチュア選手権で連覇を達成。優勝スピーチでは「いい刺激をもらった」と笑顔で話した。

 今大会で生涯獲得賞金は4億円を突破した。21歳299日での達成は、稲見萌寧の22歳332日を抜いて最年少だが「全く知らなかった。記録はあまり考えていない」という。両親がそろって観戦した場合はこれで7戦7勝。「応援がすごく力になっている」と話す21歳が、これからも優勝を積み重ね、恩返しをしていく。

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